「かき揚げ」、「ごぼう人参天」、「春菊天」、「ちくわ天」、「ソーセージ天」、「ゲソ天」、「えのき天」、「紅しょうが天」、「ハムキャベツ天」、そして「カリカリポテト天」、「ながも天」、「米揚天」、それに日替わりの「本日の天ぷら」というのも提供しているそうだ。あまり見聞きしたことのない天ぷらが多い。

「カリカリポテト天」はじゃがいもを麺線状にカットしてそのまま揚げたもの。ふわっとした触感がたまらないそうだ。「ながも天」は新潟県佐渡島でとれるもずくのような海藻を天ぷらにしたもの。

 そしてさとりん店長がおススメというのが「米揚天」だ。さっそく追加発注してみた。別皿で到着した姿はなんだかわからない。箸で持ち上げるとやたら重たい。恐る恐るひとくち食べてみると、なんと紅しょうが味のおにぎりを天ぷらにしたものだった。「つゆにつけて食べてみて」と店長がいうのでやってみると、これがやたらにうまいのだ。おにぎりの新しい食べ方である。

 しかし、1日では天ぷらたちを食べることができないなあと伝えると、「それじゃあ毎日食べに来てね」と店長の策にまんまとハマってしまった。

店を出ると伝説のもつ焼き経営者が…

 さて、店の外に出ると白いTシャツを着たキャラの濃い店関係者が業者さんと打ち合わせをしていた。実はその方が「でん」の社長、内田克彦さんだった。急遽あいさつし取材することにしたのだが、これがまたすごい人だった。

 内田克彦さんは佐渡島出身の61歳。株式会社田(でん)の代表取締役である。もつ焼きでんは戸越銀座店以外にも水道橋店、中目黒店、西小山店、蒲田店、アメ横店、佐渡島の佐渡金井店と7店舗を展開している。まさに伝説のスゴ腕経営者だ。

2024.12.06(金)
文=坂崎仁紀