〈網走〉夏の野花、冬の流氷。どちらも魅力のオホーツク海沿岸
知床斜里駅を過ぎると釧網本線は、それまでの雄大な大地の車窓からうって変わって、海の風景が広がるオホーツク海沿岸区間に入ります。
夏は青い世界に心癒やされるともに、沿線に咲く色とりどりの野花も見事。
小清水(こしみず)原生花園には、例年4月末~10月末にかけて約200種が咲き誇り、これらはすべて自生する天然の花。開花時季に合わせて臨時駅・原生花園駅も開かれます。
一方、雪景色となる冬も、この区間は旅人たちを大いに惹きつけます。
車窓から流氷を望むことができ、「流氷物語号」が冬季限定で運行。網走発は展望台のある北浜駅に10分間、知床斜里発は浜小清水駅で20分間停車し、展望台や道の駅に立ち寄れるのが嬉しい。
【網走駅】オホーツク海の豊饒な恵みに感激
さて、レールを刻む音を響かせながら列車はいよいよ終着駅の網走に到着。この町でオホーツク文化の奥深さを存分に体感して、素敵なローカル線の旅を締めくくります。
◆新鮮魚介と鯨料理の名店⇒【酒菜亭 喜八】
網走で堪能したい美味といえば、オホーツク海の新鮮な幸と、商業捕鯨の町ならではの鯨料理。その両方を上質な美味しさで味わえるのが「酒菜亭 喜八」です。
鮮度抜群な魚介の旨みを、お造りや炉端焼きなどで引き出す料理人の腕は確かで、鯨の希少部位も濃厚な味わい。日本各地の銘酒も豊富に揃っていて、ご当地の逸品を肴についつい長居したくなる名店です。なお、訪れる際は予約が確実。
◆網走発・超絶技巧のジェラート⇒【Rimo HOKKAIDO 網走店】
網走にはもうひとつ、どうしても食べてみたい美味があります。それが「Rimo」のジェラート。
店主の髙田聡氏は、本場イタリアの国際コンテストで日本人初の2冠を達成した、情熱のジェラートマエストロ。
北海道の良質なミルクをベースに、多彩な素材の香りや美味しさをいかにしてジェラートに封じ込めるか……。
その独自のアイデアと卓越した感性、そしてそれを実現する技術力。どれもが最高に素晴らしいからこそ、口に入れた瞬間、これまで食べてきたジェラートとの違いは“一食瞭然”。
その豊かな表現に驚く逸品です。
◆優雅に自然を楽しむヴィラが登場⇒【HILLTOP VILLAGE IZUBA】
優雅な静寂に包まれる網走湖畔温泉の贅沢な宿、北天の丘 あばしり湖鶴雅リゾート内に2023年9月、全5棟のヴィラからなる新たなリゾート空間、HILLTOP VILLAGE IZUBAが誕生しました。
オホーツクの自然を存分に満喫できるよう、アクティビティセンターを備え、森を望むフィンランド式サウナも魅力的。森の空気を感じながら、道東ならではの癒やしのひとときを満喫できます。
◆北方に暮らす人々の文化に感嘆⇒北海道立北方民族博物館
個性的な展示で多くの旅人たちを惹きつけているのが北方民族博物館。アラスカのエスキモー、北欧のサミ、北海道のアイヌをはじめ、北方圏に暮らす人々の多様な文化を横断的に紹介する、日本で唯一の施設です。
衣・食・住など多岐にわたる分野を網羅した収蔵品約900点を展示。
遥か遠く離れた土地にもかからず、そこには共通性があったり、まったく異なる文化があったり、多くの気づきに出会いながら、北方民族の世界観を体感できます。
◆監獄に秘められた物語を知る⇒【博物館 網走監獄】
網走を訪れるなら、立ち寄らずにいられないのが、日本で唯一となる刑務所をテーマにした野外歴史ミュージアム「博物館 網走監獄」。
国の重要文化財に指定されている8棟の建築のほか、刑務所での生活に関する展示や、明治時代の北海道開拓にまつわる内容も興味深く、そこに秘められた物語が胸を打ちます。
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2024.10.16(水)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵、橋本 篤
協力=北海道観光機構、JR北海道