【MANATOと“言葉”】朝の10分読書で図書室に通うように

 小学3年生のとき、学校で朝の10分読書が始まった。生徒が各々好きな本を持っていき一斉に読書するだけのシンプルな習慣。MANATO少年は、それがきっかけで、自主的に図書室に通うようになった。

「そのころから『かいけつゾロリ』みたいな冒険ものが好きでした。一度面白いと思って夢中になったら、授業の合間の休み時間も読んだりして……。あと、基本謎解きは昔から好きです。ミステリーでちりばめられた伏線をもとに、自分の中で先の展開を勝手に思い描いて、最後見事に裏切られるのが快感なんです(笑)。中学から高校にかけては、家に父親の買った『告白』があったのがきっかけで、湊かなえさんの本は結構読みました。自分の想像を遥かに超えた人間の怖さみたいなものにゾクゾクして、すごく想像力が刺激されます」

 一旦ミステリーを読み始めたら、どんなに忙しいときでも1日に10~15分は、続きを読む時間をつくっている。

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「ミステリーって、時間が空いたら名前とか関係性がわかんなくなっちゃうので(笑)。途切れないように、飛行機や新幹線での移動時間とか、起きてちょっと時間があるときに、少しずつでも読むようにしています」

 小学3年生からの10分読書の習慣が今も染み付いているのだろうか。でも、流石にそのころは、将来自分が歌詞を書くようになるなんて思っていなかったのでは?

「そうですね。小学校のころからこの世界を目指してはいましたけど、歌詞を書くことまでは想像していませんでした。ただ、昔から読書感想文とかはよく褒められていたんですよ。原稿用紙に向かって思ったことを言葉にまとめる行為自体には、昔から苦手意識はなかったですね」

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歌詞やメロディーを考えるときのコツ

 フィジカルエリートなのに、どちらかというとインドア派だという。最近は、家にこもって歌詞やメロディーを考える時間も増えたが、そういうときのMANATOさんなりのコツは「寝かすこと」。

「たぶん『アーティストあるある』だと思うんですが、自分が書いた歌詞やメロディーを時間が経ってから見直すと、結構気持ち悪い思いをしたりする(笑)。一発でスラスラ書けたとしても、あとになってメロディーにはめていく文字を少なくしたり、場所を入れ替えたりするのは日常茶飯事です。

 曲作りのとき僕はだいたいメロディーから先につくるんですが、そのときは『宇宙語』っていって、ラリラリラリラ~みたいな、何語でもない言葉を乗せていくんです。たまにパッとめちゃくちゃハマるワードが降りてくることがあって。0を1にするときって、偶然や閃きが大事になったりするのかな、なんて」

2024.11.15(金)
文=菊地陽子
写真=末長真
スタイリング=安本侑史
ヘア=大城祐樹
メイク=千葉彩子

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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CREAがはじめてひとり温泉を特集して7年。当時は「女性がひとりで温泉なんて!」と驚きを持って受け止められたこのテーマも、いつか珍しくない光景となりました。そして8年目となる今年、「ひとり温泉」は次なるフェーズへ。コロナ禍を経て、進化する“温泉地”を舞台に、めぐる旅を大特集します。いまこそ、めぐるか。それでも、こもるか。さあこの秋こそ、楽しいひとり温泉へ!