この記事の連載
「おどる夫婦」インタビュー【前篇】
「おどる夫婦」インタビュー【後篇】

今や日本映画界を代表する女優のひとりと言っても過言ではない、長澤まさみさん。数々のドラマや映画作品に出演し、数多くの賞を受賞してきた長澤さんは、2011年から舞台にも挑戦されています。昨年出演されたNODA・MAP『正三角関係』への出演は、ロンドン公演や全世界配信があったことからも大きな話題となりました。
そんな長澤さんが、今年も舞台に立たれます。蓬莱竜太さん作・演出の『おどる夫婦』で相手役となるのは、映画でも2度共演している森山未來さん。関係性に問題を抱えた夫婦を演じます。積極的に舞台への出演を続けている長澤さんに、この作品へ賭ける思いやご自身の理想の夫婦像、また人間関係の築き方などについてお話を伺いました。
動きの中に宿る記憶がある。それが、この作品にあったら嬉しい

――約14年ぶりに森山未來さんとの共演です。舞台へのご出演が決まったときの感想を教えてください。
以前森山さんと共演したときは映像だったので、舞台で共演できるなんて楽しそう! と思って、すごく嬉しかったです。
演出家の蓬莱(竜太)さんとご一緒するのは、このお話をいただいて、座組を聞いたときから楽しみにしていました。大きなチャレンジになる題材だなとも思いましたが、今の自分ならできるかも、と取り組んでいます。

――今回の『おどる夫婦』というタイトルを聞いて、どんなふうに思われましたか?
先ほど森山さんとそれについて「踊るかわからないよね、今の感じだと踊らなそうだよね」って話していたところです(笑)。
単純にダンスを踊るというイメージなのか、はたまた夫婦の関係性が“踊るように”紡がれていくのか、それがまだわからないところにいるんです。ただ、すごく興味をそそるタイトルだなと思いました。
“動き”の中に宿る記憶ってありますよね。何か動いているものを見て残る記憶と、セリフを聞いて残る記憶とは、全然感覚が違うと思うんです。そういう面白さがこの作品の中にもあったらいいなと思います。
2025.03.29(土)
文=前田美保
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=スズキミナコ
スタイリスト=吉田 恵