今年は猛暑対応ということで、「豚しゃぶラー油サラダそば」や「もりもり牛おろしそば」などが人気だという。 

 そして、夏の終わりはトマトの収穫期ということもあり、母のひとみさん手作りのトマトと野菜のオリーブオイル煮(ラタトゥイユ)を使ったそばを提供しているとのこと。 

 店長の池田晃久さんによると、14種類の食材(ズッキーニ、ピーマン、赤パプリカ、黄色パプリカ、ごぼう、椎茸、じゃがいも、人参、玉ねぎ、トマト、なす、アスパラ、ウインナー、鶏肉/野菜12種、肉2種)にオレガノやガーリックなど数種類のハーブやスパイス・オリーブオイルを使ってじっくり煮込んで作った自信作だという。 

 さっそく「冷製ラタトゥイユそば」(1200円)を注文した。待つこと3分。完成したその姿にテンションが上がる。大きめの赤い平皿に冷たく〆たそばに冷たいそばつゆ。その上にたっぷりのラタトゥイユ、おくらを添えてオイルがひとかけしてある。

 ひとくちラタトゥイユを食べてみる。返しだろうか、しっかりと塩味が利いた奥深い味に仕上がっている。これは上品な味でお洒落である。そばと一緒に食べてみるとこれがすごくよく合っている。 

 神楽坂「蕎楽亭」の夏メニュー「トマトそば」とはまた違った方向の味で面白い。途中で粉チーズとタバスコをかけて食べると、これがまたさっぱりといただける。フランスパンの一枚でもあればいうことなしだ。 

 池田店長に話を聞くと、富士そばYouTuberの女子二人のために試作したところ、美味いと評判になってメニュー化したとのこと。数量限定だがしばらくは楽しめそうだ。温かいそばにラタトゥイユをかけてもうまそうだ。また楽しみが増えてしまった。 

「正直これうまいのだろうか」冷たいそばにクーリッシュをかけ、さらにから味噌を…? 富士そばが生んだ“問題作”の味が意外すぎた〉へ続く

2024.09.16(月)
文=坂崎仁紀