今年の猛暑は異常だ。猛烈な暖気団が日本列島付近に停滞し猛暑日が続いた。8月末の台風で気温はやや下がったが、8月の東京の最高平均気温は33.6度と気象庁が1875年に観測を開始してから4番目だった。35度を超えた日が7日もあった。最近の傾向は朝早くに30度を超え夜までそのまま推移することだという。本当に異常な暑さだ。 

 こんな時は水ばかり摂取して食欲も落ちる。クールダウンしてくれるような大衆そばのメニューにありつきたい時分だ。そこで最近ちょっと話題になっているびっくり大衆そばメニューを紹介しようと思う。 

「冷しベーコンそば」で暑気払い

 まずは東武スカイツリーラインの梅島にある「雪国」。こちらでは2022年頃、コラボ企画で「ベーコンそば」を発売しその後終了していたが、今年の7月3日、猛暑を予感するかのようにリニューアルして再販売を開始した。

 山田店主に聞くと「2022年の時はベーコン3枚と塩茹でもやしでしたが、もやしをやめてベーコン4枚だけの直球勝負にしました!」とのこと。

 ベーコンの燻製香が「雪国」のそばつゆにマッチすることは間違いないと山田店主。「食欲が少し落ちた時でも食べやすいし、冷しもうまい」とのこと。さっそく訪問して、リニューアルした「冷しべーコンそばと春菊天」(630円)を注文してみた。 

 待つこと3分。「冷しベーコンそば」が登場した。まずつゆをひとくち。「雪国」のつゆは出汁と返しが絶妙に調和した深みのあるうまいつゆである。

 ベーコンをつゆに浸してそばと食べていく。燻製香とつゆの相性が抜群だ。温かいつゆで食べてもうまいに違いないのだが、この冷しも相当うまい。

 もっとベーコンが入ってもよいだろうし、温泉玉子も合うだろう。山田店主も「ベーコンそばはとにかくうまいので、販売は続けていきたい」とのことである。 

 

塩味が効いたおしゃれな「冷製ラタトゥイユそば」

 次は都営地下鉄三田線板橋区役所前駅からほど近い一角で営業している「蕎麦食堂いけち」。店長の池田晃久さん、その妹と母による家族経営の店として人気となっている。そばうどんだけでなく「大きな唐揚げ定食」や「カツ丼」など定食メニューも豊富だ。

2024.09.16(月)
文=坂崎仁紀