コロナ禍・ウクライナ紛争以降、多くの蕎麦屋の値段は高騰した。蕎麦屋の値段については不思議な現象も起きている。値上げせずに頑張っている個人店があるため、バラバラな価格帯が混在している。しかしどこの店の主人に聞いても「材料費がまた上がるのでいつ値上げをすればいいか悩ましい」と嘆いている。

破格の値段で提供するそば屋の情報をキャッチ

 そんな中、池袋にある10周年を迎えた街蕎麦店「創作生蕎麦 梟小路」が立ち食い蕎麦屋を下回るような破格の値段で商売しているという情報をボーカリストの友人から入手した。しかも美味くてメニューも豊富。気の利いたつまみもそろい、夜の居酒屋営業も大人気だという。さっそく訪問してみることにした。

店は池袋のサンシャイン側の美久仁小路の正面にある

 場所は池袋のサンシャイン側の繁華街にある。池袋はいつ来ても人波に驚く。方角が分かりにくい地下街をどうにか抜けて35番出口から東側の地上に出る。インバウンドと若者が街に溢れている。駅前の大きな並木道、グリーン大通りを東池袋方向へ歩いていく。

 南池袋公園前の信号を左折してしばらく歩くと人通りの多いエリアに入る。美久仁小路の正面に店はあった。駅から10分程度だろうか。

 平日の午後2時過ぎである。店にはお客さんがひっきりなしにやって来て、店前の券売機で食券を買って吸い込まれていく。

 

ワンコインで食べられる“大人気メニュー”の正体は?

「本日の日替わりセット」(500円)は鶏天丼と小うどん。

 この食券を購入する人が圧倒的に多い。他にも「親子丼」(500円)、「豚カルビ定食」(650円)、「チキンカツ定食」(650円)、「カツ丼」(650円)など手頃な値段のメニューが並ぶ。

 友人と合流し店前で何を注文するか長考していると、「お酒飲まれますか? それなら中のメニューで注文できますからどうぞお入り下さい」と店の方が笑顔で誘導してくれた。この方が店主の川元充さんだった。

2024.08.05(月)
文=坂崎仁紀