長すぎるプロローグ「勝手にヒデキおすすめジャケ写」
まず、7月2日、劇場版アニメ「ベルサイユのばら」が2025年新春に公開決定という、ヒデキファンとしても腰が浮く嬉しいニュースが入ってきた。
ちょっと待て、なぜヒデキとベルばらが関係あるのか――。その疑問、千の言葉より一枚のジャケ写が証明するのでここに提出したい。
クッ、何度見ても恐ろしいほどにリアルアンドレ……! この「ブルースカイ ブルー」のジャケ写を見るたび、アンドレとヒデキが脳内で一体化し、いつの間にやら、ベルばらまで自動的に応援する体になってしまったわけだ。
このように、西城秀樹のジャケ写は見る者のテンションをおかしくさせるほど麗しい。
ということで、ちょっと止まらなくなってきたので、本編(ヒデキ夏トレンド振り返り)に進む前に、「勝手にヒデキおすすめジャケ写」を発表することをお許しいただきたい。大丈夫、秋の夜は長い。ヒデキを愛でる時間は山ほどある!
8cmシングル長方形の美「ブーメランストレート」
タイトルは阿久悠さん作詞の大ヒット曲「ブーメランストリート」をもじった、野口五郎さん発案のダジャレ。これをあえてシンプルな明朝体で表現することで、ダジャレをオシャレに変換するのに成功。ヒデキの憂いある表情が、「ブーメランストリート」(1977年)から15年経ってもまだ愛しい人を待ち続ける男の忍耐強さを表現している。撮影場所はまさかの上野動物園の裏門! 彼が立っているだけでどこの宮殿の門かと思う、グーグルマジックならぬヒデキマジック! ちなみにこの曲がリリースされた1992年、パンダのリンリンが中国から上野動物園に来園している。
ギャップ萌え「一万光年の愛」
楽曲は恋愛を宇宙に喩えた、壮大かつテンションの高いラブソングだが、コスモっぽいデザインをジャケットに微塵も取り入れない潔さが見事だ。
「ワイシャツ着るの忘れちゃったよ~」とでも言いたげなお茶目ヒデキの表情は、「もー、サングラスはかけてるのに、このドジっ子さん♪」と奥さんヅラしたくなる。
小物使いが天才的「ブーツをぬいで朝食を」「至上の愛」
「ブーツをぬいで朝食を」は、マフラーに照準を合わせる、というヒネリが利いている。ちょっと戦隊ヒーローっぽいヒデキが尊い。しかも、写ってはいないが、ちゃんと足元はブーツを履いているというエピソードが、想像力をかきたてる。
「至上の愛」は煙草の煙と白のタートルネックが素晴らしいアクセントとなり、もはや芸術。1975年という学生運動直後の退廃的な時代のにおいをも、ほのかに漂わせている。
心霊写真ならぬ心魂写真! LP「ビッグゲーム’79ヒデキ」「ビッグゲーム’80ヒデキ」
豪雨と雷のなか歌い続けた伝説のライブを収めたLPは、ジャケットも神がかっている。特に’80の表面のジャケ写は、ヒデキの顔が映っていないのに彼の全魅力が爆発! 彼を包むオレンジの光はライトの色ではなく、オーラだという説が、あくまで私の中でではあるが、有力視されている。彼の魂とパッションがそのまま写り込んだ、心霊写真ならぬ心魂写真だ。
2024.09.16(月)
文=田中 稲