ーー生だけでなく、串焼きにもして食べたそうですね。

コムアイ 「おいしい~」ってなるけど、胎盤は体があったまりすぎるので、そんなにいっぱい食べられるものでもなくて。で、残ったものを翌日にアニータが串焼きにしてくれて。それでも食べきれなかったものは土に埋めて、「胞衣笑い」っていう沖縄とかで主に行われてた風習に習って、光海くんが大笑いして送ってくれました。これをすると赤ちゃんが憎まれずに育つって言われてるんです。

 村では、毎日の食事がバーベキュースタイルなんですよ。直火で焼くか、鍋に入れて蒸すか。でも、胎盤は網で焼いてたね。

 

試しに焼いてみたら、へその緒も美味しかった

太田 串は家の横に生えてる植物で作ります。

コムアイ 棕櫚(シュロ)みたいなやつの葉を取って、軸を残して研いで、串を作って。食べるものによって、どんな串が欲しいか、植物をうまく使い分けるんです。幼虫とか小さいものを焼くなら、細く。お肉だったら、もっと太い茎の植物を使ったり。そこらじゅうに生えているから、慣れると便利なんですよ。

ーー串焼きの味付けは。

コムアイ 生と同じ、塩です。へその緒も。

ーーへその緒はどうでしたか。

コムアイ へその緒はおいしくなさそうと思ってたけど、試しに焼いてみたら、味がしっかりあって美味しかったです。みんなが料理上手なわけではないのですが、アニータの塩加減と焼き加減はいつも絶妙で、自分でやったらそこまで美味しく出来たかわからないけど。

 ガッツリ焼いてたよね。「ん~、まだ中が赤い」とか言って、しっかり火を通してくれて。

太田 アマゾンでは基本的にレアでは食べないです。しっかり火を通す。胎盤もへその緒も、一通り食べたけど、ほんとに美味しかった。

コムアイ なんか、気を使ってない?(笑)

太田 いやいや、向こうでも「おいしい」って言ってたじゃない(笑)。

ーーなんとなく、うなぎの肝焼きに近い食感かなと。

コムアイ グニグニしてたね。

2024.09.12(木)
文=平田 裕介