〈「時が来たら産まれるから」「世界的注目を浴びている民族」アマゾンの村で出産したコムアイと太田光海が明かす、地球の裏側の“出産秘話”〉から続く
アーティストのコムアイ(32)と映像作家・文化人類学者の太田光海(34)。
夫婦ではなく恋人同士で子供を迎えることを決意し、2023年7月にアマゾンの村で出産をした彼らに、出産直後に食べたという胎盤の味、アマゾンを出産の場所に選んだ理由、異国での出産に対する誹謗中傷などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/続きを読む)
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胎盤、食べると「めちゃ元気が出ます」
ーー出産後に胎盤を塩で食べたとのことですが、塩以外の味付けは。
コムアイ 塩しかなかったんですよね。
太田光海(以下、太田) アヒ(唐辛子)つけなかったっけ?
コムアイ ああ、つけたかも。
ーー生のレバーっぽい?
コムアイ レバーよりおいしいと思う。私、レバーが苦手なんですよ。あんなに癖はない。
太田 もっとサッパリしてて、食感は少し歯ごたえがあって肉の層を感じるような。
コムアイ 何だろうね。ぼんじりみたいな? でも、あそこまで脂分がないよね。
ーー食べると、元気が出たりとかするのですか。
太田・コムアイ めちゃ元気が出ます。
太田 かぶったな(笑)。
コムアイ 絶対食べたほうがいいって、正直思いました。
太田 食べて元気を出せるように、哺乳類は進化の過程で胎盤を出すようになったんじゃないかと思ったぐらいです。
残った胎盤は翌日、アニータが串焼きにしてくれた
コムアイ 動物は、胎盤を食べますよね。
太田 シカとか食べますね。人間は現状の主流文化では食べないですけど、やっぱりアマゾンみたいなスーパーもレストランもない環境のなかで、「産んじゃった、どうしよう、すごい体力も落ちてる」ってなった時に、メチャクチャ重要な栄養源になるというか。
コムアイ そうだね。産んだ時って、血が減る感じがするんですよ。実際、出血するしね。血がザーッとなくなって。お腹にあった羊水も赤ちゃんも全部出たら寒気に襲われて「あれ? 寒い寒い寒い寒い」と凍えていたんですけど、胎盤を食べたら体があったかくなった。
2024.09.12(木)
文=平田 裕介