この記事の連載
- LiLicoさんインタビュー・前篇
- LiLicoさんインタビュー・後篇
CREA WEBで人気の占い「オンナの算命学」を手がける東京ケイ子。古代中国で生まれた、運命を算出する学問の「算命学」で、気になるあの人を占う連載がプチリニューアル。ゲストの人生において、“何をしてもうまくいかない冬の時期”にフォーカスし、苦難をどんな風に乗り越えたのかを聞く。そこには、この世の中を生き抜くたくさんのヒントがあると信じて。
連載のテーマを「人生の冬の時期の乗り越え方」にシフトして、東京ケイ子がいの一番に会ってみたかったのが今回のゲスト、LiLiCoさんだ。波乱万丈の人生をパワフルに切り開いてきたLiLiCoさんのこれまでとこれからを2回に分けて紹介。
逆境に立ち向かう愛の戦士
ケイ子 今日はよろしくお願いします。簡単に算命学の説明をしてから始めますね。算命学は、古代中国王朝時代に発祥し、発展しました。まずは生年月日で宿命と人生のバイオリズムを導き出します。
宿命は生まれてから死ぬまで変わらないものとし、バイオリズムは自分の人生において、エネルギー値が高い時には攻め、低い時には守るという考えです。昔の中国の王はそうやって軍略のために算命学を使っていました。
ちなみに、運命は、変えていくものと考えます。つまり、宿命×環境=運命なんです。
LiLiCo 宿命に掛け算するのは努力なのかと思っていました。環境なんですね。
ケイ子 努力に近いですよ。まずは己の宿命を知ることを第一優先にして、どういう生き方を掛け算していくかによって運命が決まりますから。
今回のテーマが「人生の冬の時期にフォーカスすること」ですが、バイオリズム的に試練や乗り越えなければならない壁が現れる時期をどう乗り越えていったのかをお聞きし、読者のみなさんのエンパワメントに繋げたいと思っています。それで、どうしてもお会いしたいのがLiLiCoさんでした。
LiLiCo そうなのね(笑)。美輪明宏さんは私を見ていつも泣くんですよ。あなたを見ると涙が出るって。
ケイ子 わあ、そうですか。LiLiCoさんの人生のテーマ、宿命は“逆境に立ち向かう愛の戦士”だからでしょうか。
LiLiCo すごーく分かります。いい言葉!! そういう曲を出したいなあ。
ケイ子 LiLiCoさんは家系のはみ出しものという宿命を持っていて、家族から離れるところに人生のスタートラインが来ます。だから、生まれてから死ぬまでの課題として、その孤独に対して強い心を鍛えるんです。
LiLiCo なんていう星の元に生まれたんだろう(笑)。
ケイ子 ただし逆境に強くもあります。10年に一度、ドラマチックな展開が訪れますが、この10年単位ということに心当たりはありますか?
LiLiCo 自分がよく言う言葉です。1年くらいじゃなにも頑張ってないのに等しくて、まずは10年。そして20年。さらには30年頑張ったらもっといいことがあるから。
ケイ子 素晴らしい考えですね。だからでしょうか、生涯を通じて休息というものがとても少ないんですよ。
LiLiCo はい、私、休みがゼロなんです。いつも元旦だけ休みにしてたんですが、必ず大晦日に胃腸炎になって、カウントダウンが病院なの。だからもう休むのやめようと思って(笑)。10歳の頃から休みがたくさんある仕事に就きたくないというのが私の口癖でした。
ケイ子 なるほど。明るさの中に闘争心があるとも出ていますが、これについてはどうでしょう?
LiLiCo 私、超マイナス思考なんですよ、実は。全然、明るくないのよ。いつも最悪のことを考えてるから、ハードルも低めです。今朝も目が覚めてラッキー、さあ、1日いい日にしようって思っているだけ。だから明るく見えるの。テレビをつけて暗い人を見たいとは誰も思わないだろうから、もちろん明るく頑張りますけれど。
ケイ子 幸せの基準をとても低く置いていらっしゃるんですね。
LiLiCo そうそう! だってジョニー・デップと結婚したいなんて思わないもん。無理だよ〜(笑)。手の届かない高望みをすると不幸になると思っちゃう。みんなに、旦那さんに会って幸せそうですねと言われるのね。もちろん、幸せですよ。でもその前も幸せだったし、1人でも生きていける。
幸せは飛んでくるものじゃなくて、自分の中にあるもの。それを引き出すのは上手いほうかなと思っています。
闘争心や誰かと競う気持ちはまったくなくて、常に自分との戦いなのかも。元気なうちにやりたいことは全部やったほうがいいと思うし、成し遂げたことを残したいとも思う。それが私の闘争心ですね。
2024.08.01(木)
文=渡部かおり
撮影=平松市聖
イラスト=中村桃子