「子どものころから大黒柱として働いてきたことは誇り」

 近年のインタビューでは、子どものころから大黒柱として働いてきたことは誇りであり、現状に不満はないと語っている。現在は親への経済的な援助を続けながら、DV被害者やLGBTQ+支援、動物愛護などの活動をしている。

 音楽面では、約6年の休止を経て、自分の好みに沿うアルバム制作や大規模すぎないツアーを通して復活を遂げた。2022年には名曲「Beautiful」の現代版リメイクを制作し、SNSによってルッキズムに陥ってしまう子どもたちの問題に光をあてている。

 「結局、私はソウルシンガーなの」。キャリアを回想したクリスティーナは語る。「ポップスターという言葉や、私がしてきたさまざまなことをとりのぞいたときに残るのは、魂の底から歌うこと。それこそが私の核でありルーツ」。 

 もちろん、クリスティーナ・アギレラの黄金の歌声は健在だ。近年にはアメリカで常駐公演を行い、圧倒的なパフォーマンスを見せてファンに嬉しい驚きをあたえた。17年ぶりとなる日本のステージも、ソウルフルに揺らすことだろう。

2024.08.18(日)
文=辰巳JUNK