この記事の連載
- 『おとなの歯磨き』前篇
- 『おとなの歯磨き』後篇
「こどもの歯磨き」との大きな違いとは?
「おとなの歯磨き」には、これまでの歯磨きと大きく3つの違いがあります。それが「磨き時間」「歯ブラシの持ち方」「磨き方」です。
まずは、磨き時間ですが、本章冒頭でもお話しましたが、じつに7割の人が、3分未満で歯磨きを終えています。これこそ「こどもの歯磨き」と「おとなの歯磨き」の大きな違いです。
朝は1分でも無駄にできないという人が多く、夜は仕事から帰ってきたら疲れていていろいろおおざっぱになる。やる気が出ない。このような生活が続けば歯磨きに時間を使えないのも無理はありません。
しかし、これではどうしても磨き残しが出てしまいます。じっさいに、歯垢染色剤を歯磨き後に使ってみると、赤く染まった歯を確認できます。
では、どれくらい磨けばいいのかと言うと、10分間です。上手に10分間磨くことができれば、だいたいのプラーク(歯垢)は除去できます。さらに、フロスや歯間ブラシ、スポンジブラシを併用することで、ほとんどのプラークを除去できます。ですので、まずは1日1回は10分間の歯磨きタイムを確保してください。
歯ブラシの持ち方、合ってる?
そして、歯ブラシの持ち方ですが、多くの人が手をグーの形にして歯ブラシを握り、ゴシゴシと磨いていますが、これは力の入れすぎです。プラークは毛先の弾力を使って取ったほうが効果的なので、これからは、ペンを持つように人差し指、中指、親指の3つの指で持ってください。
そして、優しくシャカシャカと磨きます。歯を磨くときの最適な圧力は200グラムほど。グーの握りでは、500グラムほどの強い圧力がかかってしまいますが、ペンの握りシャカシャカと音が鳴るように磨けば、この最適な圧力で磨くことができます。
最後に磨き方ですが、本書では3つの磨き方を提唱します。毎日3種類の磨き方で10分間。これだけでもプラークの除去効率はこれまでと比較にならないくらいに上がります。
2024.06.20(木)
文=伊東材祐