この記事の連載

 毎日毎日、こどもの頃から続けてきた「歯磨き」。その方法、自信がありますか?

 実は、間違った歯磨きを続けたまま年を重ねると、虫歯や歯周病の原因になります。さらに、その歯のトラブルが重大な疾病につながることも!

 今回は『おとなの歯磨き』(フローラル出版)から、一日も早く始めたい、おとなのための歯磨きを抜粋してご紹介します。後篇は、基本の基本、歯ブラシのあとに行いたいアプローチ。

その“歯磨き”に自信がありますか?1日10分で口の中から人生が変わる「おとなの歯磨き」をマスター!を読む


第2の歯磨き 歯磨きの後の「フロス」タイム

 欧米にはこんな言葉があります。

「Floss or die(フロス オア ダイ)」直訳すると「フロスをしろ、さもなければ死ね」です。

 こんな恐ろしい言葉が用いられるほどに、欧米では浸透しているフロスですが、日本での使用率はイマイチ低めです。

 しかし、歯磨きだけでは、歯と歯の間のプラークを完全に落とし切ることはできません。毎日、しっかり歯磨きしているのに、虫歯になった。という人もいるかもしれませんが、その人は、歯と歯の間にあるプラークが原因です。そこで、歯磨き後には、フロスで仕上げをしていただきたいのです。フロスを歯と歯の間に入れ、歯の側面から歯周ポケットの中まで、フロスを上下と前後に動かして、プラークを除去する。歯磨きと同様に、フロスを入れる隙間の順番を決めて取り漏れがないようにしてください。

 フロスを使うと、出血したりプラークが糸につくことがありますが、水で洗ったり、糸の違う部位を使用するようにします。

 また、フロスを使って血が出る場合もありますが、これはバス法で出る血と同じなので、気にせず使いましょう。ただし、フロスを使い慣れていないと、歯周ポケットの最深部を超えてフロスを入れてしまう場合があるので、フロスも痛みを感じない程度に使ってください。

 また、しっかり歯磨きしているのに、フロスを使うと食べかすが取れることがありますが、これこそ磨き残しの証拠です。今までの歯ブラシがどれだけ不十分だったのかを認識し、新たな歯磨き道へ邁進していく糧にしてください。

 歯磨きによる磨き残しの多くは歯の隙間にあるので、毎日使うのが理想です。初めてフロスを使う人は、最初のうちはなかなか使いこなせないと思います。しかし、こればかりは慣れです。

 最初は慎重に、鏡を見ながら、各歯の隙間にアプローチできるように時間をかける。そして、慣れてくればスッとフロスを隙間に入れるようになり、食べかすやプラークが取れることが楽しくなってくるので、使いはじめはなおさら毎日のフロスを忘れないようお願いします。

 それでも、フロスが上手く使えないという人は、糸ようじタイプを使いましょう。とはいえ、紐タイプのほうが上下左右に自由に動かせるため、除去効率はこちらのほうが高いので、時々は紐タイプにも挑戦してください。

2024.06.20(木)
文=伊東材祐