この記事の連載
- 『食べる美容』#1
- 『食べる美容』#2
OSAJIブランドディレクター茂田正和さんのレシピ本が発売!
皮膚科学に基づいた処方で、敏感肌に寄り添いつづけてきたコスメブランド「OSAJI」のブランドディレクター茂田正和さんによる、食事で美しい肌を叶えるレシピ集『食べる美容』が発売されました。
コスメブランドのディレクターがなぜレシピ本? と不思議に思う方もいるかもしれませんが、本書によると、そもそも「OSAJI(オサジ)」の名前は、江戸時代の将軍家や大名に仕える医師(漢方医)の呼称「お匙(おさじ)」に由来するそう。
医師が薬匙を使って薬を調合し、人々の体を健やかに導くように、茂田氏にとって、「化粧品」だけではなく、「食事」を処方し、スプーンを通じて体の中から「肌悩み」に応えることは、ごく自然な流れだったようです。
『食べる美容』には、肌悩みを解消するレシピが多数収録されていますが、ただ作り方が紹介されているだけではありません。
まず、季節ごとの体や肌の悩みに合わせて、摂るべき栄養素とその栄養素を含む食材がわかりやすく解説されていて、さらにレシピでは、その食材のおいしさを引き立てる「味付け」「調理法」を知ることができます。その食材が手に入らないときの代わりの食材がたくさん掲載されているのも嬉しいポイント。
レシピ通りに作った料理で、季節ごとに生じる肌悩みをケアできるのはもちろんのこと、それ以上に素晴らしいのは、作り続けることで、その食材の「扱い方」がわかるようになり、料理センスが底上げされて、これまでよりもっと自由に、もっと楽しく料理ができるようになる点です。
季節ごとに自分の体に向き合いながら、自分が作った料理で自分を労えるようになる……そんな一生モノのスキルが身に付くレシピ本『食べる美容』の発売を記念して、同書より、梅雨時期に摂りたい栄養素とおすすめのレシピを2つ紹介します。
梅雨時期に起こりやすい体の不調
なんだか気分もさえず、頭痛やだるさを感じることも多い梅雨。そして、見た目の問題で言えば、むくみやすく、血色も悪くなってしまいがちです。ここにも自律神経が関係していて、本来、緊張状態の交感神経とリラックス状態の副交感神経が、振り子のように交互に働いてバランスを保っているのですが、気圧が低い日が続くと、交感神経ばかりが働いて、血流を収縮させてしまいます。その結果、血管の外に水分が漏れ出すことでむくむのです。食事でのアプローチも大切ですが、サウナや半身浴など自律神経を整えるケアも取り入れてみてください。
梅雨時期に摂りたい栄養素
●ビタミンB1
「甘いものを食べ過ぎてむくんでしまった」という経験はありませんか? 体の中で、糖質の代謝が追いつかずに血糖値が上がると、水分を溜め込みやすくなります。そして、その糖質の代謝を促してくれるのがビタミンB1です。手軽に摂るには、胡麻がおすすめです。むくみが気になる時は、ご飯に、おかずに、お吸い物にふりかけて、取り入れてみてください。
ビタミンB1が多く含まれる食材:ラム肉、豆腐、たらこ、胡麻、豚レバー
●カリウム
カリウムは水分を溜め込む余分なナトリウムを排出する働きをします。むくみやすいこの季節には必須の栄養素なのです。その一方で、カリウムは、肌の中で水分を蓄えて、うるおいを保ってくれます。マグネシウムと同じく、カリウムも海水に多く含まれますので、日頃の料理で使う塩を精製塩ではなく、天然塩にすることでもカリウムが摂れて、体の水分調整ができます。
カリウムが多く含まれる食材:ニラ、海老、たらこ、空豆、布海苔
2024.06.15(土)
文=CREA編集部、茂田正和
写真=鈴木泰介