奥野 そうなんです。ちゃんと緊張されるし、地に足がついている感覚を逃さない方ですよね。
真田広之に憧れて“日芸”に入学
洞口 あと第7話で奥野くんと真田さんが並んだとき、骨格がすごく似ていて兄弟いう設定にすごく説得力がある、絶妙のキャスティングだなと思いました。
奥野 僕は、オーディションでした。最初は戸田広勝文太郎(戸田広松の息子。イギリス人航海士の通詞となった妻・鞠子に異様な執着を見せる)役でオーディションを受けたのですが、もう一回、佐伯役でオーディションできないかと言われて。
洞口 文太郎役でも楽しかったと思いますが、骨格の類似性を見ると、佐伯役で正解!!
奥野 ありがとうございます。実は僕、子供の頃から真田さんを見ていて「すごい人がいるな」と憧れていたんです。僕は日本大学芸術学部卒なのですが…。
洞口 真田さんの後輩ってこと?
奥野 そうなんです。実は“日芸”に入ったのも真田さんが理由で。年代は離れているんですけど、憧れの先輩がどういう学校生活を送っていたのか気になって入学したんです。だから今回、やっと共演できて、本当に嬉しかったですね。
自分の出番が終わると着替えて現場に戻り…
洞口 そんな憧れの先輩と共演しているのに、堂々としていらっしゃって。第7話は奥野さんがかっさらっていましたから。
奥野 いえいえ、それは真田さんのおかげですね。現場で何か問題があると「なんか変だと思う?」って駆け寄ってきてくれて。で、こちらの意見を聞いて、クルーにすぐに共有してくださる。
セリフひとつにしても、全部間に入ってくれるので、クルーとの意思疎通でストレスを感じることはほとんどなくて。とにかく、あらゆるところに目配りをしてくださいました。
洞口 虎永としての自分の出番が終わると、いつの間にか衣裳から私服に着替えて、現場に戻ってきていて、プロデューサーとして他のシーンを見守ってくれるんですよね。
奥野 僕、あんなに飛び回っている人、初めて見ましたもん(笑)。
2024.05.09(木)
文=林田順子