台湾東部・花蓮で発生した地震の被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 CREA編集部では、台湾観光庁の声明や、現地コーディネーターからお話をうかがい、台湾を応援する気持ちを込めて、完売したCREA春号をハンディサイズにムック化した、CREA Due『愛しの台湾』を刊行します。その一部を抜粋し、掲載します。

 CREA編集部一同、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

CREA Due

『愛しの台湾』

定価1,430円

 CREA Due『愛しの台湾』では、表紙と裏表紙のW表紙で登場するのが、&TEAM(エンティーム)の台湾出身メンバー、NICHOLAS。17歳のときに韓国に渡り、現在は日本を拠点にグローバルに活躍する彼の3年ぶりの帰省に密着しました。

 CREA Due『愛しの台湾』から、インタビュー全文と全18枚の豪華新バージョンとなった綴じ込み付録「SPECIAL PHOTO CARD」の一部を大公開します!


 17歳で単身韓国に旅立った青年が、3年ぶりに故郷に帰ってきた。

 BTSやSEVENTEENを擁する韓国のエンターテイメント企業・HYBE傘下のHYBE LABELS JAPANからはじめてデビューした9人組グローバルグループ、&TEAM。カリスマ溢れるダンスで人々を魅了する21歳のNICHOLASと、彼が生まれ育った台湾を巡った。

高校時代、ダンスを毎日練習していた場所を訪れると

 4年ぶりの台湾特集。編集部が楽しみにしていたのは、台湾がどんな変化を遂げたのかということ。2020年に故郷を離れた彼も、それは同じだ。

「仕事モードに入りたいんですけど、楽しくて。本当に楽しすぎます!」

 台湾の空気を吸いながら、息を弾ませる。まず向かったのは高校時代、ダンスを練習していた板橋車站地下通路507(フォトカード付録に掲載)

「僕はダンスを始めたのが遅くて、高校に入ってからなんです。ずっとバドミントンの選手だったんですが、やめて時間ができたときに、K-POPファンの2歳上の姉に『ダンスやってみようよ』と勧められて、すぐハマりました。もっと本格的に学びたいと転校した僕が、放課後に仲間たちと毎日通ったのがここです」

 鏡張りの地下通路では、いまも多くのダンスグループが練習している。

「早く行かないと場所を取れないので、授業が終わると、皆でお金を出し合ってタクシーで来ていました(笑)。当時踊っていたのはストリートダンスのブレイキン。サイファーという文化があって、他グループの人とも即興でダンスを披露し合ったりするんです」

 ふと壁際に目をやった彼の顔から、笑みがこぼれる。「一緒に踊っていた友だちが来ています」。人懐っこい笑顔の若者たちが、大量の豆花とタピオカドリンクが入った袋を提げ、並んでいる。

「皆さんに、僕の友だちから差し入れをお渡ししてもいいでしょうか?」

 よく見れば、手作りのおかずが入った保温バッグもある。「好物を持ってきてくれたんですね」と声をかけると、「僕ではなく、皆さんに台湾のおいしいものを知ってほしかったんだと思います。温かいうちに食べてもらえるといいのですが」と嬉しそうに答える。

2024.05.08(水)
Photographs=Mai Kise
Styling=Yuuka Maruyama(makiura office)
Hair & Make-up=Yuka Kanamitsu
Coordination=Teruyuki Yahagi(TOP TAIWAN)

CREA Due 2024年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。