この記事の連載
- 城田優インタビュー【前篇】
- 城田優インタビュー【後篇】
すごくいい劇場でこれから立つのが楽しみ
――日本では「ショー」というジャンル自体、少ないように感じます。「ショー」として見せるということにおいて、今どう考えていますか?
おっしゃる通りで、ミュージカルやコンサートは僕も出たことも見たこともありますけど、ショーはなかなかないんですよね。ストーリーは今回僕らサイドでは持っていますが、それをあえて皆さんにお伝えすることはしません。
確実にお伝えできることは、「このジャンルって…何に当てはまるんだろう?」と見た後に感じることができるものにする、ということです。これまで皆さんが見たことのない、歌、ダンス、音楽、そこに映像や照明、いろいろないわゆる裏方のクリエイター的な部分が混ざって、最終的にひとつのショーになっていくと思っているんです。
あと、僕が期待しているのは、シアターオーブを出た後に東京・渋谷の街を歩くのがちょっと楽しくなるようにできたら、と。「日本っていいな、東京っていいな」と誇りに思ってもらえるようなコンセプトのものにしようと、絶賛いろいろ練っているところです。
――すでにシンガポールの劇場Esplanade -Theatres on the Bayにも行かれたと伺っています。劇場の印象はいかがでしたか?
シンガポールという街自体、僕は何度も何度もプライベートでも仕事でも行っていて、とても親しみのある場所なんです。僕の人生でも回数的にはトップクラスに入るくらい…たぶんスペインに行っている回数よりもシンガポールに行っている回数のほうがもしかしたら多いんじゃないか、というくらい(笑)、なじみのある場所です。
劇場のEsplanadeも、日本でももっとこんな素敵な劇場を作ってほしいと思うくらい、本当に素晴らしかったです!
――どんなところがEsplanadeのよさ、違いだったんでしょう?
お客さん目線で言うと、座席の構成のおかげですごく舞台が見やすいんです。座ってみてすぐに「うわ、すごい」と上質さを感じましたし、外観もとにかくすごくキレイです。
裏方目線からだと、劇場が本当に使いやすい。とにかく大きいんですよ! 舞台の奥行きがものすごくあるので、あんなに奥行きがあって広い劇場、なかなかないと思います。広いことは、作品をやる上でいろいろなアイデアが生まれやすいんです。大体のことはアイデアがあっても実現できる空間がないので。そういった意味でも、すごくいい劇場でこれから立つのが楽しみです。
2024.04.16(火)
文=赤山恭子
写真=原田達夫
ヘアメイク=Emiy(エミー)
スタイリスト=山中有希奈