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コーヒーの実の収穫作業からスタート!

 コーヒー豆収穫&焙煎体験は、まず果実の手摘み作業から始まります。農園に入ると2メートルほどの木々に赤や黄色の鮮やかな実が生っていて、この実を一粒ずつ摘んでいく作業です。

 実の中にある種がコーヒー豆になるのですが、実の部分はコーヒーチェリーと呼ばれるように、かじって食べてみるとほんのり甘い。糖度は20度以上あるそうで、この高い糖度により風味のよいコーヒー豆に仕上がるのだとか。

 コップ1杯ほどの実が採れたら、次は果実から種を取り出す作業を行います。室内に戻ってテーブルに実を広げ、果肉を剥いていくと、種は両手のひらで持てるくらいの量に。

 取り出した種はネットに入れて水で洗い、そのあと手網に移して、コンロの上で揺らしながら乾燥させます。

 しっかりと乾燥させたら、殻を取り除く脱穀作業。脱穀した豆をきれいな豆と傷みのある豆を選別するのは、なかなか地道な作業です。

 脱穀した種は再度手網に入れ、コンロの上で焙煎します。

 焙煎はコーヒーの味を左右する大切な作業ですが、おいしいコーヒーにするポイントは3つ。①火加減は中火で、②手網を火からできるだけ近い位置を保ち、③手網を振って豆をしっかり動かし焼きムラができないようにすることだそう。色がつくまで、ひたすら手網を振り続けます。

 種がこげ茶色になったら、ようやくコーヒー豆の完成です。コーヒー1杯分は16g。私が収穫した実からは21gできたので、1杯分を試飲に使い、余った分はお持ち帰り用にいただきました。

 さっそくできたコーヒー豆をミルで挽き、ドリップの方法を教わりながら丁寧にお湯を注いでいきます。

 約2時間半かけてできた貴重な1杯。採れたて煎りたての豆で作ったコーヒーは、スッキリしていてえぐみがなく、香りがしっかりしていておいしい。

 コーヒー豆の作り方は基本的に世界中どこでも同じですが、実を機械で摘むのは広大な台地でコーヒー栽培をしているブラジルなどの農国だけなんだそう。

 コーヒーは山地で栽培している地域が多いため機械の搬入がむずかしいことから、何トン、何十トンという量を手作業で収穫している農園がたくさんあるそうです。

 コーヒー1杯に対する価値観が変わる、貴重な収穫&焙煎体験でした。

又吉コーヒー園

所在地 沖縄県国頭郡東村字慶佐次718-28
電話番号 0980-43-2838
営業時間 平日10:00~17:00、土日祝9:30~17:00
定休日 不定休
https://www.matayoshicoffee.jp/

2024.03.15(金)
文=佐藤由樹