この記事の連載
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- ベストフェムケア2024 #2
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- ベストフェムケア2024 #4
- ベストフェムケア2024 #5
アイテム選びは冷静な判断で
近藤 ところで最近、オンライン診療でのサービスが増えてきていますが、メリットとデメリットをどう思われますか?
髙橋 例えばピル処方に関しては、アプリの誕生でとても敷居が下がりましたよね。東京みたいにたくさん婦人科があるわけではない地方の人は、通院のために車で長距離移動する必要がないなどの利点があります。一方、デメリットとして血栓症のリスクを見逃すことや、実は合っていないのに同じピルを飲み続けなければいけない可能性などがあります。対面診療を受け、リアルで使ってから「同じものが欲しい」という場合はいいとは思うんですが。本当に一長一短です。最終的に大切なのは「自分の体は自分で守る」意識を持つことですね。
近藤 アイテムを選ぶ際にもその意識は大切です。例えば月経カップは、日本では一般医療機器で届出が必要なものですが、海外の通販サイトで500円で売っているものは、やはり危ないかなと。
髙橋 潤滑ジェルも同様で、大手ドラッグストアの厳しい基準を満たしたものは安心だと思います。
近藤 薬剤師さんがいる調剤薬局で相談するのもいいですよね。
髙橋 あと吸水ショーツの場合、最大量の吸水ができるというのは企業努力だとは思うんですが、出血が多い人の場合は、婦人科に行ってほしいですね。
近藤 自分の経血量を知らず、なんとなくやり過ごしている人は少なくないと思います。
髙橋 医師としては、今後生理用品などにも婦人科受診への啓蒙の一言が入るといいなと思います。
――これからさまざまな体制が整備されていくのが理想ですね。
2024.03.08(金)
文=増本紀子(alto)