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アイテムの見極めが重要

――フェムケアのアイテムを選ぶにあたり、正しい知識を得るにはどうしたらいいでしょうか?

髙橋 人に聞くなら、同じコミュニティに所属していない複数の人に聞くのがいいと思います。専門家ならいいというわけでもなく、産婦人科医なら全員「月経カップ」について知っているわけではないんですよね。

近藤 消費者にできることは、本当に髙橋先生のお話の通りだと思います。実は日本において、フェムケアはこれまで流通が少なかった分野なので、売り手側も国側もルールが未整備なところも多いんです。無理やり既存のルールに押し込んでいるので、雑貨の潤滑ジェルは腟内に使えるのに、成分が明示されているデリケートゾーンの保湿剤といった化粧品は腟内に使えなかったり、矛盾が起きていることもあるんです。

髙橋 本当にそうですよね。法をすり抜けているようなアイテムも少なくないです。

近藤 法が未整備であるがために、消費者側に健康被害が起こってしまうことも……。

髙橋 これは実際にあった事例なのですが、女性ホルモンに働きかけるという成分配合のオイルを海外から輸入して使った人が、不正出血でクリニックに来たことがあるんです。どうしてそれを使ったのかと聞くと「友達がいいって言ってた」とのことで。国民生活センターから、バストアップのサプリメントについて注意喚起が出ていた例を思い出しました。

 現状では、広告から商品情報を得ることも多いと思うんですが、実は日本の薬機法でアウトというアイテムはたくさんあります。だから「これで全部解決」とかいう売り文句のアイテムには注意が必要です。ブームに便乗している商品も少なくありませんから、きちんとした成分のものなのかを見極めて選ぶことが大切だと思います。

2024.03.08(金)
文=増本紀子(alto)

CREA 2024年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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行かなくちゃ、台湾

CREA 2024年春号

行かなくちゃ、台湾

定価980円

名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。次の旅は台北から足を延ばして、嘉義、台中、大渓など地方へも。行かなくちゃ!台湾へ。