この記事の連載
- ベストフェムケア2024 #1
- ベストフェムケア2024 #2
- ベストフェムケア2024 #3
- ベストフェムケア2024 #4
- ベストフェムケア2024 #5
名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。「CREA」2024年春号の「行かなくちゃ、台湾」特集。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA 2024年春号
行かなくちゃ、台湾
特別定価980円
女性の健康課題の解決をサポートするフェムケア市場が活性化。新製品も多く登場しているけど、何に注意して選べばいい? 産婦人科専門医の髙橋怜奈さんと女性のウェルネス向上に取り組む企業「フェルマータ」COOの近藤佳奈さんに聞きました。
フェムケアアイテム・サービスとの正しい付き合い方って?
――日本において「フェムケア」の市場は右肩上がりの印象です。この理由をどうお考えでしょう?
近藤 世界的に「フェムケア」という言葉は昔からあったんですけど、日本では逆で、対抗馬的に出てきた「フェムテック」というワードが先に注目され、その概念に入らないものが「フェムケア」と言われはじめたのが、2020年頃ですね。
さらに、コロナ禍でフェムケアがより注目された印象があります。消費者が家にこもることで、自分の健康とじっくり向き合う姿勢になり、「大切だよね」と思いはじめたような。また、メーカーがアイテムを市場に広げやすくするために「フェムケア」という言葉が必要だったのかなと思います。
髙橋 確かに、コロナはひとつのきっかけだったかもしれません。新型コロナワクチンを打ってから、不正出血や生理不順になったという相談が増えましたし……。実際女性は、ちょっとしたストレスなどで生理不順になったりもするんですが、普段なら気にならないことを気にしはじめた時期でもあったと思います。
――髙橋先生、患者さんと接していて、フェムケアに関する認識が変わってきた印象はありますか?
髙橋 気になっているという人は多いですね。ある程度金銭面でも余裕が出てくる30代後半から40代の人は、デリケートゾーンのケアに関心があるようです。
ただ、多くの人が勘違いしているのが「デリケートゾーンはピカピカにしていなければいけない」と思っていること。「おりものが気になるから毎日腟内洗浄しています」という人がいますが、腟内に存在する善玉菌まで洗い流してしまい、逆に腟炎を長引かせてしまうことも。また、デリケートゾーン用のオイルを使用することで脂漏性湿疹を発症している人もいるので、使用後はふき取るなど、正しい使用法を守ってほしいです。
2024.03.08(金)
文=増本紀子(alto)