12月 ふふ 旧軽井沢 静養の森(長野県軽井沢町)
https://www.fufukyukaruizawa.jp/
快晴の関越道を北上し軽井沢へ。先週の「ふふ 軽井沢 陽光の風」に続き「ふふ 旧軽井沢 静養の森」へ。陽光の風とは対照的に「しっとり・シック・質感高し」という私的3Sの極致。ステイしてわかる上質な調度品をはじめ、ドアひとつ照明ひとつに至るまで、溢れる気遣いは改めて説明するまでもないふふクオリティー。
雲場池至近、軽井沢でも静養という名が相応しい奇跡ともいえる立地。本棟・客室棟はテラス“KUMOBA TERRACE”を囲むように配されている。ディナーは日本料理「赤坂 紙音」が出店。旧軽井沢の自然をフィーチャーしたコースは、発酵文化が知られる信州にあって熟成食材の多用により奥深き食文化も体感できる。2週続いた軽井沢、サービスにも料理にも一貫した“ブランド・イズム”を感じた。
12月 鈴 京都宮川筋 hitotose 穐 -Aki-(京都市東山区)
https://rinn-kyomachi.com/en/list/hitotose-aki/
京都一等地で新たに開業した宿。設え、動線、デイベッドサイズもツボな上に、大きなプライベートロウリュウサウナ、タオルウォーマー&扇風機、大開口網戸に至るまで、ホテル評論家チェックリスト過去10年でおそらく最高得点か? いずれにしてもトップクラス間違いなしの感激。
京都だけに規制が多い中にあって、ホテルを知り尽くすオーナーが一軒家の特長を活かした180平方m町家リノベだ。進化系なんていう言い回しでは追いつかない異次元レベル。1泊では全てを理解できない凄さに圧倒される。
今回は本当によかった30ホテルとともに2023年を振り返った。運営方式の統一やブランド寡占など画一化も極まる脱・コロナ禍のホテル業界であるが、一方で個性的な施設が際立つ土壌ともいえる。メディアでも大きく注目されるホテルは当然魅力的だが、目立たなくともキラリと光るホテル・旅館に出合えたことも大きな収穫だった。
※記事中の情報は訪問時のもの。廃止されたサービスや閉館したホテルもあります。また、写真は別日取材、再訪時に撮影されたものも含まれます。実際の利用に際しては公式サイトなどでご確認ください。
写真/瀧澤信秋
2024.02.05(月)
文=瀧澤信秋