今から6年前、群馬でハニワの頂点を決める「群馬HANI-1(はにわん)グランプリ」なるものが行われたのをご存じでしょうか? 6年の歳月を経て、上位にランクインした群馬ハニワたちが一堂に会する「新春はにわ祭り」が、1月28日(日)まで群馬県立歴史博物館で開催されるという情報をキャッチ。さっそくハニワ界の人気者たちに会いに行ってきました。
最強ハニワを決めようじゃないか

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見れば見るほどジワジワくる。私がハニワにハマってからかれこれ10年ほどたつ。虚空を見つめる空洞の目、何かを訴える手つき。シンプルな造形ながら、いやシンプルだからこそ、時空を超え何か心に迫るものがハニワにはある(はずだ)。
ハニワはご存じの通り素焼きの土器である。古墳時代、3世紀後半から6世紀後半にかけて作られ、王様が眠る古墳を守るために並べられていた。古墳といえば近畿地方に多いイメージがあったのだが、実は群馬県は全国でも屈指の古墳大国なのだという。当時、「上毛野国(かみつけのくに)」と呼ばれていた群馬県には、13249基(現存しているのは約2500基)の古墳が作られたそうだ。
古墳がそれだけあれば、当然ハニワも大量に見つかる。そして2018年、「古墳王国の名にかけて最強ハニワを決めようじゃないか」とばかりに開催された「群馬HANI-1グランプリ」には群馬県内から出土した100体のハニワたちがエントリー。地元を中心におおいに盛り上がり、全国から6万票近い票が集まったそうな(……と、力説してもよほどのハニワ好きじゃないと知らないかもしれないが)。
しかし、順位が発表されても人気ハニワたちは各地の博物館や施設にバラバラに点在している。それがなぜか6年の時を経て、期間限定ながら集結するというのだから、ハニワ好きとしては行かねばなるまい。
2024.01.20(土)
文・撮影=白石あづさ