押し寄せる怒涛の“銀世界”に誰もが腰をぬかす、世界で唯一無二の喫茶店。愛知県岡崎市の神々しくも摩訶不思議な「喫茶レストラン丘」を訪ねてきました。

岡崎市山中の最恐カオス・スポット、ネオ・キタロー村で“村長”の独白を聞いた!


岡崎は「へんなもの」の宝庫

 大きな観光地があるわけでもないのに、街を歩いているとジワジワと心に迫る街がある。

 愛知県岡崎市出身の知り合いに「今度、岡崎に行くのだが、お城以外に何かおすすめは?」と尋ねると、「ない。でも名古屋がわりと近いよ」と即答された。

 いや、隣りの市じゃなくて岡崎市の中に何かないのか。

「……最近だとユーチューバーの東海オンエアと非公式キャラのオカザえもんかな?」

 ……「ってそれ、観光地じゃないでしょう」という押し問答の揚げ句、「そういえば……」と教えてくれたのが、「喫茶レストラン丘」という店である。

「昔は普通の渋い喫茶店だったのに、うちのオカンが久しぶりに行ったら、なんか全く別の店になってたって。壁から天井までダーッ! と一面、光ってて眩しいんだとか。とにかく不思議な店らしい」

 へえ。昭和レトロな喫茶店がカラオケ喫茶にでも路線変更して、ミラーボールでもグルグルと回っているのだろうか。せっかくなのでどんなところか楽しみにしたい。ネットで調べることはせず、住所だけ教えてもらって訪れることにした。

 さて、岡崎城以外、何も知らなかった岡崎であるが、実際に行ってみると意外なほどおもしろい。ごくありふれた住宅街のなかに化け猫の石像が建っていたり、銀行にドライブスルーの窓口(跡地)があったり、足を伸ばして山に行けば廃材で作った奇天烈な村が現れる。おかげで日が暮れる前までに多くの「へんなもの」をカメラに収めることになった。

 そして夜、いよいよ知り合いが教えてくれた「喫茶レストラン丘」へと向かう。

 編集K氏とともに、散歩がてら川沿いにぶらぶらと歩いていると、人気のない広場に何体もの石像が浮かび上がる一角が見えてきた。何の石像かと目を凝らせば、武将たちである。

 しかもただの石像ではない。太鼓を叩いてる武士の顔は目玉が飛び出そうなほど驚いた顔ででかい口を開けてるし、馬に乗っている武士の左手は意味ありげで、思わず立ち止まってしまう妙な石像たちである。

2023.05.21(日)
文・撮影=白石あづさ