人の顔が筒に!?

 人面犬や人面魚は知っているけれど、まさかハニワにまで? と絶句したのがこれ。土管のような円筒埴輪に人の顔が浮かび上がる「人面付円筒埴輪」(6位)。延々と円筒埴輪を焼いていた職人さんが、ある日、「毎日、毎日、いやんなっちゃうよ!」とでも叫んでやけくそで作ったのだろうか? ゴルゴ風の冷たい目つきも相まって、なんともシュールな造形にもうジワジワが止まらない。顔の無数のひび割れもワイルドさに拍車をかけている。

全力で笑っている!

 最後に紹介するのは、第1位を獲得した群馬の誇る「笑う埴輪」。もう、全力で笑ってる~!! かわいい……! でもよく見れば、なんだか裏がありそうな笑顔にも見えてしまうのは、私の心が黒いからなのだろうか?

 ここで紹介したハニワだけでなく、「新春はにわ祭り」には、塩顔のハニワや馬に乗る人のハニワなど盛りだくさん。あなたの推しハニワが見つかるかも。ぜひ本物を見に行ってほしい。

群馬県立歴史博物館

所在地 群馬県高崎市綿貫町992−1

新春特別展「新春はにわ祭り」
期間 2024年1月28日(日)まで。毎週月曜日休館
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
料金 一般500円・大高生250円・中学生以下無料
https://grekisi.pref.gunma.jp/event/3418/

●飯玉屋

群馬に行ったらぜひソウルフードの焼きまんじゅうを。地元の人たちに長年、愛されている「飯玉屋」さんにはプレーン(1本240円)だけでなく餡入りやよつ葉バターを三度塗りして焼き上げた「よつ葉バター焼きまんじゅう」も。焼きそばも値段が手ごろでおいしい。

白石あづさ

ライター&フォトグラファー。3年に渡る世界放浪後、旅行誌や週刊誌を中心に執筆。著書にノンフィクション「お天道様は見てる 尾畠春夫のことば」「佐々井秀嶺、インドに笑う」(共に文藝春秋)、世界一周旅行エッセイ「世界のへんな肉」(新潮文庫)など。「おとなの週末」(講談社BC)本誌にて「白石あづさの奇天烈ミュージアム」、WEB版にて「世界のへんな夜」を連載中。X(旧Twitter) @Azusa_Shiraishi

Column

白石あづさのパラレル紀行

「どうして世間にはこんな不思議なものがあるのだろう?」日本全国、南極から北朝鮮まで世界100か国をぐるぐると回って、珍しいものを見てきたライターの白石あづささんが、旅先で出会ったニッチなスポットや妙な体験談をご紹介。

2024.01.20(土)
文・撮影=白石あづさ