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 巨体と巨体がぶつかり、角と角がからみあう。千年近い歴史ある日本の闘牛が、今も各地で行われているのをご存じでしょうか? 牛たちの晴れ舞台を見に新潟県小千谷の闘牛場へ行ってきました。かっこいいけれどほのぼのとした「推し牛」たちの激突を前編・後編に分けてお送りします。

【後編】闘牛を校庭で育てる小学生!? 男前すぎる「横綱牛」たちの雄姿とつぶらな瞳にもうメロメロ!


小地谷にはプロ野球はないけれどほのぼのとした「闘牛」がある

 今年の春先、新潟県小千谷市から上京した人と、野球の開幕戦の話で盛り上がっていたら、「小千谷にはプロ野球はないんですけど、闘牛の“開幕戦”があるんですよ」と嬉しそうにおっしゃる。

 日本でも闘牛が行われているのはなんとなく知っていたが、闘牛と聞くと私は20年以上経っても忘れられないスペインの闘牛場でのトラウマ体験が頭をよぎる。

 赤い布を揺らす闘牛士に牛が突進するショーのようなものを想像していたら、闘牛が登場した時点で背中に銛が刺さっていて血だらけでブルブル震えているわ、闘牛士に短剣でグサッと刺されてまた血が噴き出るわ。

 口あんぐり、顔面蒼白の私とは対照的に、地元のマダムたちはど派手な血しぶきと強いイケメン闘牛士に大興奮。顔を真っ赤にして足を踏み鳴らし絶叫している。その国の文化にケチをつけてはいけないと思いつつも狩猟民族との分かり合えない高い壁に、うなだれながら途中で帰るはめになった。

 すると小千谷の人は笑って「日本はウシ対ウシですし、小千谷の闘牛は全国一ほのぼのしてますよ」とおっしゃるので、ならばと初夏に行われる“開幕戦”を見に行くことにした。

2023.10.28(土)
文・撮影=白石あづさ