圧巻の新春はにわ祭り
お笑い界の頂点を決めるM-1グランプリの話題で盛り上がるクリスマスイヴ、私は高崎市の群馬県立歴史博物館の企画展「新春はにわ祭り」を訪れた。聖なる日にハニワかよ! と鼻で笑うなかれ。企画展示室に一歩足を踏み入れると、もう圧巻! 予想以上のハニワパラダイスに胸が高鳴り、血圧も上がりっぱなしであった。
ハニワというと、NHKの番組「おーい!はに丸」の古代戦士っぽい王子(人物)やお供の馬のハニワを思い浮かべる人が多いと思う。しかし実際は「こんなものまでハニワに!」と驚くほど種類が多く、さらに奥が深いのだ。今回の展示では、ランキングトップ20のうち15体(複製含む)が展示されている。現物はぜひ博物館で見てほしいが、展示品のなかから私のお気に入りのハニワをメインにいくつか紹介していこう。
イケメンハニワ三人衆
弓や食器、楽器など、人形のハニワが手にしているものを見れば、当時の職業が分かるのだが、グランプリで19位だった「たかじょうくん」が左腕に乗せているのは……なんと鷹! 当時からすでに鷹狩りが行われていたようだ。ウエストも細くてスタイルもヨシ、おしゃれな帽子にワイドなパンツを穿いており、このハニワのモデルになった男子はモテていただろうなあ。
●19位「たかじょうくん」
続いて18位にランクインしたのは、「ははーっ!」という声も聞こえてきそうな「ひざまづく男」。切れ長のクールな目に、見事なおじぎをしつつも背筋がピンとしている。柔和な「たかじょうくん」とはまた違って、なんとも凛々しいぞ。
●18位(常設展示)「ひざまづく男」
16位を獲得したイケメンハニワも紹介しよう。その名も「リア充男子」。おさげ髪なので女子にも見えるが、当時の男子は顔の横で髪を結っていたそう。大刀を持ち、ツバのついた帽子の似合う彼だが、どうしてグランプリのエントリー名が「リア充」なのかというと、一緒に出土した女子埴輪といつも並んで展示されているからなのだとか。
●16位「リア充男子」
2024.01.20(土)
文・撮影=白石あづさ