占星術は大昔から、天上の星々と地上の出来事や人間の運命を、“星の言葉”を使って伝えてきました。

 では2024年にはどのようなメッセージが送られてくるのでしょうか。

 心理占星学研究家・岡本翔子が、歴史を紐解きながら、2024年を幸せに過ごすための術をお伝えします。

2024年はどんな年になる!?

 全世界がコロナウイルスの恐怖に怯えた数年を経て、私たちは日常を取り戻しつつあります。新しい年、2024年が始まりました。未知の感染症との闘いから、新しい価値観やライフスタイルが生まれつつあります。大きく、しかしゆっくりと時代が変わりつつある今、2024年の星は私たちに何を語りかけているのでしょうか。

 昨年春に「破壊と再生の星」と呼ばれる冥王星が水瓶座に入ると同時に、より性能が向上したChatGPT4がリリースされ、日本でもあっという間にAIチャットサービスが浸透しました。AIとの共存もひとつのテーマである、冥王星水瓶座時代を象徴するような出来事でした。冥王星は順行→逆行を繰り返しながら、2024年1月21日(日)に再び水瓶座に戻ってきます。いよいよ本格的な冥王星水瓶座時代の始まりです。

 冥王星は太陽を一周するのに248年かかります、過去にこの天体が水瓶座にいた期間は、1778年~1798年で、アメリカ独立戦争やフランス革命など、世界中で大きな変化がありました。冥王星は脱構築、つまり「常に古い構造を破壊し、新しい構造を生み出していく」力を秘めています。

 「自由・平等・博愛精神」をキーワードとする水瓶座に冥王星が入ると、王族や権力者や政府などではなく、一人ひとりが自由と平等の下に、利益と幸福を追求できるような社会が熱望されます。かつて力を持つものがトップダウンで決めていたことが、私たち個人に決定権が委ねられるようになっていくのが理想です。しかしその方法はかなり過激で、過去に世界を揺るがす革命が起こったように、たとえば権力者たちのスキャンダルをきっかけに社会を変える革命が起こります。

 水瓶座に入った冥王星は、社会の中で機能しなくなったものを容赦なく明るみに出して一掃しようとします。昨年起こったジャニーズ性加害問題や宝塚いじめ問題、はたまた政治資金パーティの裏金問題なども、今までバレないとタカをくくってきた権力側に冥王星が引導を渡す形で、強烈な「NO」を叩きつけたと読み解くことができます。冥王星が水瓶座から去るのは2043年。約20年かけて新しい時代を作るべく、さまざまな改革が進んでいくのでしょう。

2024.01.10(水)
文=岡本翔子
イラストレーション=INEMOUSE