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 コロナ禍を経てようやく海外への門戸が開いたものの、円安、世界的な物価上昇……と、海外旅行も慎重になってしまうこの頃。そんななか、リーズナブルに楽しめるうえに料理がおいしく、ショッピングも楽しめるデスティネーションのひとつが、ベトナムだ。

 かつてベトナム旅行といえば、ホーチミンやハノイが定番だったが、ここ数年は、中部の都市、ダナンも根強い人気。成田から直行便で約6時間40分、美しいビーチも都市部も楽しめるダナンは、日本から気軽に行けるデスティネーションのひとつになった。

 フォーブス誌の「世界で最も魅力的なビーチの一つ」に選ばれた郊外のミーケビーチには、多くのホテルが並び、とても賑やか。だが、その先のソンチャ半島まで足を延ばせば、さらに魅力的なリゾートがある。

 ソンチャ半島自然保護区にある「インターコンチネンタル ダナン サンペニンシュラ リゾート」は、ダナンきっての5つ星リゾート。

 インターコンチネンタル=都市部の近代的なラグジュアリーホテルのイメージがあるが、ここは完全に大自然のなか! 目の前は遮るもののない大海原、背後には熱帯雨林が迫る。

 ロケーションはダイナミックだが、ダナン国際空港から車で約30分と、アクセスしやすい。市内から賑やかな海岸沿いを抜け、やがて風光明媚な断崖が見えてきたら、まもなく到着。

 豊かに葉を茂らせる南国の樹と極彩色の花々、フロント棟の向こうにキラキラと光るダナン湾、上品なオリエンタルの内装……。足を踏み入れたとたん、一気にリゾート気分が盛り上がる。

 インテリアのモチーフとなっているのは、寺院や古都ホイアンの提灯、蓮の花など、ベトナムの伝統的な風景。アーティスト・建築家・ランドスケープデザイナーのビル・ベンズリー氏が手掛けた内装は、繊細な曲線美あり、ときにダイナミックな絵画ありと、自由で変化に富んでいる。

 アートや建築好きなら、間違いなく好奇心を刺激されるはず。「こんなところに!」と思う細部にまで趣向を凝らしているから、たびたび足を止めて鑑賞したくなる。これまで数々の有名リゾートを手掛けてきたビル自身も、ここは一番のお気に入りなのだとか。

2023.11.30(木)
文・撮影=芹澤和美