実際のところ子会社化しても、こちらがやることは何も変わりません。僕のほうでは、ジブリパークとジブリ美術館をしっかりつくり運営していくことに、引き続き専念していきます。映画づくりについては当面、『まだオレがやるんだ』と言っている方々に任せておくこととしましょう。

「おわり」を越えて、ジブリの作品づくりは続いていく

『君たちはどう生きるか』が、宮﨑駿の最後の作品になるのではなかったのか、ですか? いえ、違うと思います。なにしろあの映画、ラストカットに『おわり』という文字が出てきません。

 これまでの宮﨑駿作品にはきっと『おわり』の文字や『おしまい』といった文言が書いてあったのに。たまたまなのかあえて省いてあるのか、なんだか怖くていまだ問うてみたこともありませんが。

 ジブリパークにしても、5つのエリアがすべて完成すれば『おわり』というわけではなくて、そこから訪れてくれる人とともに場が育っていく。そうやっていろんな方向に芽を伸ばしながら、ジブリの作品づくりは続いていくのだと思います」

©︎Studio Ghibli

宮﨑駿監督が影響を受けたという小説『君たちはどう生きるか』…“今さら聞けない”作品の魅力《コミック無料公開中》〉へ続く

2023.11.16(木)
文=山内宏泰