以前は「『SKYキャッスル』見ました」と声をかけられることが多かったのですが……

――脚本は、『リング』で知られる高橋洋さんも参加しています。日本のホラー映画の特徴が何か感じられましたか?

 『リング』を見たのはずいぶん昔ですが、日本のホラーの落ち着いた雰囲気の中で、それぞれの登場人物に事情がある感じが、『オクス駅お化け』にも共通しています。日本のホラーは、マンションなど日常的な空間が舞台になることが多いように思います。

――韓国での公開後の反響は?

 最近はドラマの撮影で全国を飛び回っているのですが、以前なら「『SKYキャッスル』見ました」と声をかけられることが多かったのが、最近は特に若い人たちに「『オクス駅お化け』おもしろかったです」と声をかけられることが増えました。原作ファンの若者がたくさん映画を見てくれているみたいです。

――子役でデビューし、長く演技をされてきましたが、ターニングポイントになったような作品はありますか?

 親に連れられて演技を始め、子どもの頃は特別演技に関心がありませんでした。ただ学校が休めるのがうれしい、というぐらいだったのが、10代後半で独立系映画(インディペンデント映画)に出るようになって、自分はこんな感情も表現できるのかという新たな発見があり、演技に興味がわいてきました。

 20代前半からは短編映画への出演を続けていますが、ある瞬間から私は演技が好きなんだというのを自覚するようになりました。

 今も短編を1本撮っています。ドラマの撮影中ですが、合間合間で短編の撮影にも通っています。

――それはよほど短編に何か魅力を感じているんですね。短編の魅力とは何ですか?

 『離別旅行(原題)』『雲が多少かかります(原題)』という2020年の2本の短編が特に記憶に残っています。

 短編は大学生の卒業制作やまだ商業映画を手がけたことのない若者が監督である場合も多いのですが、彼らの豊かな想像力とそれを本当に表現してしまう情熱、そして短い時間に様々な感情を込めるのが、短編の魅力です。厳しい撮影環境だからこそ、みんなで一緒に作り上げる醍醐味を感じます。

2023.10.06(金)
文=成川 彩