気をつけたいのは、Androidについては、たとえポートの形状が合致していても、そもそも外部ディスプレイに出力できない製品があることです。具体的には「DP Alt Mode(正式にはDisplayPort Alternate Mode)」と呼ばれるモードに対応していなければ、出力することはできません。

 例えば筆者手持ちのPixel 7 Proや、シャープのAQUOS sense7は、「DP Alt Mode」に非対応ですので、こうした有線ケーブルを用いた出力は行えません。その場合、前述の「Chromecast with Google TV」を使って無線で出力する方法しか、実質的な選択肢がないことになります。物理的に接続できてもダメなケースがあることは、知っておく必要があります。

家族に通知欄を見られないためには?

 最後に豆知識ですが、こうしたスマホの画面をテレビに出力するにあたっては、画面をまるごと出力する方法と、アプリの画面だけを出力する方法の2通りがあります。

 スマホの画面をそのまま出力する方法は、わかりやすい反面、画面のアスペクト比がそのまま維持されるため、画面上に黒帯ができてしまったり、視聴中にスマホに届いた通知がそのままテレビに表示されてしまったりします。家族みんなでスマホの画面をテレビで見ている時に、個人宛の通知がいきなり表示されてしまうと、気まずいことこの上ありません。

 一方で、アプリだけを出力する方法では、こうした問題はなく、必要な画面だけを表示できます。接続方法やアプリによっては対応しない場合もあるので、万能というわけではありませんが、慣れてくればこちらのほうが便利です。

 接続方法が有線にせよ無線にせよ、この2種類の方法のどちらを用いるかで、快適さは大きく変わってきますので、実際の利用にあたっては、使い比べてみることをおすすめします。

2023.10.02(月)
文=山口 真弘