千早茜さんの最新長編『マリエ』(文藝春秋)が8月25日に発売されます。本作の発売を記念して、作家としての大先輩であり、ふだんから親交の深い村山由佳さんをお招きして、「恋愛小説」書き方講座を開催します。
『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞、次々に意欲的な作品を上梓されている千早さんですが、『マリエ』は初めて自身と等身大の女性を主人公にした作品です。
物語は、主人公の「桐原まりえ」が40歳を目前に離婚したところから始まります。離婚、久しぶりの独り暮らしで感じる自由、年下の恋人……『マリエ』のモチーフやテーマには、千早さんご自身の体験も色濃く投影されているそうで、実際に自分が経験した現実をフィクションへと昇華するにはどのような技術が必要なのか、具体的な方法論について聞くことができそうです。また、千早さんがこれまでの自作のなかで“唯一の恋愛小説”と位置付けているという『神様の暇つぶし』についても改めてお話しいただきます。
一方、村山由佳さんは『ダブル・ファンタジー』『ミルク・アンド・ハニー』をはじめとする“自身の実体験に根ざした”性愛を大胆に描く大人の恋愛小説はもちろん、実在の人物をとりあげた『風よ あらしよ』『二人キリ』、人ならざるもの・形のないものとの交歓を追求する短編集『ある愛の寓話』に至るまで、バラエティに富んださまざまな愛の形に挑みつづけています。恋愛小説の名手・村山さんは、どのようにして多くの作品を世におくり出してきたのか――千早さんとの共通点や、逆にまったく違うところもふくめて、作家どうしならではのきわめて実践的で深い講座となりそうです!
またリアル会場参加で当日『マリエ』と『ある愛の寓話』をご持参いただいた方向けに、お二方のサイン会を開催します(サイン対象本は『マリエ』『ある愛の寓話』のみで、おひとり様1冊に限らせていただきます)。上記のようなイベント内容ですので、ご参加の際にはぜひ千早茜さんの『マリエ』、村山由佳さんの『ある愛の寓話』を読了しておいていただければ幸いです。
2023.09.04(月)
文=「オール讀物」編集部