●ホテル富貴(大阪府大阪市)

 大阪、京橋駅から徒歩5分。ひっそりとした路地裏に佇むホテル富貴。

 1977年創業以来変わらない姿でネオンが灯り続けている。ここはいわゆるラブホテルだが、おひとりさまでも宿泊可能で、最近は撮影のために訪れる者も多いようだ。その理由は外観はもちろん、内装、照明、家具、小物、壁紙、タイルまで、すべてのデザインにセンスが光ること。

 さらに「中華」や「ローマ」など、部屋の内装のテーマがそのまま部屋の名前になっているのもおもしろい。予約した「江戸」の扉を開けると、和室の半分を占めるのが神殿風の高床式ベッドルーム。ベッドの周りには灯籠や石庭が囲み、厳かな雰囲気を演出している。

 風呂の蛇口からはラドン泉。部屋によってはさまざまな仕掛けがあるのも遊び心を感じる。凝った作りは部屋だけでなく廊下まで。本革で作られた独特なデザインの壁、真っ赤でレトロ感の強い絨毯の床、豪華なシャンデリア、照明が吊り下がる螺旋階段……。

 シャッターを押す手が止まらないほど見どころがありすぎる。週末ともなればほぼ満室。泊まってみたい部屋はホテル富貴のホームページから事前に部屋をチェックして予約すべし。

 

監獄をホテルに改装…!?

●旧奈良監獄(奈良県奈良市) ※2024年運営開始予定

 最後に、完成したら泊まってみたい、変わったホテルを紹介。奈良県奈良市にある旧奈良監獄は1908年に建設された、明治五大監獄の一つで、当時の建築の最も優れた作例の一つとして重要文化財にも指定された建物だ。

 耐震構造の問題から2017年に閉鎖されたのだが、その後、星野リゾートに運営を委託され、2024年夏に高級ホテルとして生まれ変わることとなった。特徴的な外壁の赤レンガはそのままに、内部を大幅に改装。客室は、独房9室程度をつなげて全48室になる。

 ここのメインとも言える複数の収容棟の中心にある看守室は、ゲストラウンジや共用スペースに生まれ変わるという。一体どんなホテルになるのだろうか。オープンが待ち遠しい。

2023.07.16(日)
文=あさみん