正しい靴の履き方の手順は以下の通りです。

(1)靴ひもを足首側から2~3個ゆるめる
(2)靴の口を大きくガバッと開ける
(3)必ず靴べらを使って足を入れる
(4)かかとをトントンと合わせる
(5)靴のベロを引っ張り整える
(6)つま先側から丁寧にひもを締めていく
(7)足首の近くは少しキツめに
(8)しっかり蝶結びをする

 ポイントは“かかとを合わせて靴ひもをグッと締める”こと。

 そうしないと、着地の度に靴のかかと部がグニャッと歪み、足首が不安定になってしまいますし、蹴り出す度に靴のかかと部が脱げそうになるため、足裏を目一杯広げてしまい、土踏まずが潰れ(柔軟性がなくなり)、足指の力を地面に伝えられなくなってしまいます。

 かかとを合わせてひもをグッと締め、地盤をしっかりさせる。そうすることで、着地の際の足首のグラつきが減り、足指の力を地面にしっかりと伝えられる。ひいては、歩行が安定して、足・体のトラブルが減っていくわけです。

 手順は多いですが、なんてことない、誰にでもできる履き方です。毎日の慣れは必要ですが、すぐに習慣化しますよ!

 

やってはいけない靴の履き方

(1)靴べらを使わないで靴を履く
(2)靴ひもをほどかないで結んだまま脱ぎ履きする
(3)かかとではなく、つま先をトントンする
(4)靴ひもやベルトをゆるめたまま歩行する

 これらは、靴のお悩みアドバイザーとして筆者が伝えている“やってはいけない靴の履き方”です。共通するのは、靴の中で足が動いてしまう=靴と足の間に隙間が生まれる履き方だということ。

 靴の中で足が動いてしまうと、先ほど挙げた歩行が不安定になる問題だけでなく、靴と足の間に生じた隙間に足が突っ込み、強い圧がかかることによる、指まわりの靴ずれやタコ、魚の目の発生につながってしまうんです。

「靴ずれができるということは、自分の足にとって“窮屈な靴”を履いているから」と考えられる方が多いですが、本当の原因はかかとに合わせて靴ひもをしっかりしめていない=靴を足にピタッと装着できていないからです。勘違いして、靴ひもを緩めたり、1つ大きなサイズの靴を買ったりすると、さらに靴の中で足が動いてしまうことになり、悪循環に陥ってしまうので注意してください。

2023.06.28(水)
文=遠山めぐ美