同業者のファンがいれば大成する?
――共演されて、ダウ90000が若い世代から支持されている理由はどんなところにあると思われますか。
ひとり やっぱりネタと……まあ、本ですよね。本と芝居の力じゃないですかね。特に(東京03の)飯塚さんとかオークラさんとか、コント好きの人たちが絶賛してますから。玄人ウケする人たちなんだろうなと思います。こういう番組に白羽の矢が立つっていうのもそうで、演出の福島(明)さんはどっぷりお笑い好きだから。やっぱりそういう人に刺さりやすいんですよ。お笑い好きが好きな感じっていうのは分かる。
僕の感覚から言うと、過去にそういういわゆるお笑い好き……要は同業者のファンがいる人たちは、みんな大成しますね。それで世に出なかった人を僕はちょっと知らない。まあ、かく言う僕もなんですけどね(笑)。
――(笑)。
ひとり 僕も、例えばバナナマンがネタやるっていったら袖に行ってたし、おぎやはぎもバカリズムも、やっぱりもともと芸人のファンがいるんですよね。そういう意味で言うと、ダウ90000も間違いなくそのレールには乗ってるんで、世に出るとは思うんですけど。
ただ……何せ人数が多いんでね。今後どう世に出ていくかっていうのがちょっと分からないですよね。ダウ90000という形だけでずっとやっていくのか、ソロプレーしていくのか。さすがにさ、8人が全員一気に売れたっていうのは、過去、僕は米米CLUBぐらいしか知らないんでね。ザ・ドリフターズでさえ5人ですから。だから8人がどうなっていくのかっていうのは見ものだし、挑戦ですよね。
「ギャラも8等分って考えると……」
ーーなるほど。
ひとり でも、もしうまくいった時にですよ。ダウ90000で番組をやるとなったら、そこにもう全部そろってるっていうのは強いよね。ダウ90000さえ呼べば、ゲストを呼ぶ必要ない。だって、もう8人いるんだから。それが単純にVTR作る番組だとしても、誰かレポーター行って、残りの人がスタジオで見て、ってそれが全部自分たちでできるし。コント番組をやるとなったら、ダウ90000さえ呼べばできちゃうんだからね。しかも蓮見君が本を書けるわけでしょう。使い勝手はいいですわね。
2023.04.03(月)
文=西澤千央
撮影=榎本麻美/文藝春秋