帰宅後、いただいた「春菊天」と「干しエビのかき揚げ天」をかけそばにのせて食べてみた。天ぷらは確かにコロモはやや多めだが揚げ具合は丁度いい。そして驚いたのはそばつゆにつけてほぐれていった天ぷらを食べた時である。本当につゆの味が沁みて天ぷらの味が華開いたのだ。「そのまま食べるより、そばつゆにつけて食べてみてください」と岩田社長が話したことは本当だった。
「天ぷらいわた」は一匹狼的な存在に
「天ぷらいわた」への訪問は長年の疑問を解決できた爽快な旅であった。少し寄り道すれば田園風景が広がる豊かな土地である。トトロの森みたいな風景も残っている。いいところだ。
天ぷら卸の仕事は日々目まぐるしく変化する。景気、気候、もちろんコロナ禍、そして物価上昇などに大きく左右される。個人店の同業他社はもうほとんど消えてしまった。今や一匹狼的存在になっている。過去には大資本への参加を打診されたこともあるという。しかし、「お得意様が多様だったこと、逆に売上げが厳しかったことから試行錯誤して努力してきたことで、現在まで残ることができた」と岩田社長は話す。
立ち食いそば屋に行って天ぷらを食べたら、それは「天ぷらいわた」の作品かもしれない。裏方のすごさを垣間見た訪問だった。
INFORMATION
「有限会社いわた」
住所:神奈川県横浜市戸塚区小雀町2298−11
電話:045-853-0033
※卸と催事での販売です。小売り販売はしていません
※催事情報などは下記をご参照ください
https://www.tempura-iwata.jp/
https://www.instagram.com/tempuraiwata/
https://www.instagram.com/pickles_iwata/
2023.02.27(月)
文=坂崎仁紀