2022年はコロナ禍に続いてウクライナ紛争が勃発し、世界経済が混乱した1年だった。京都清水寺の今年の一字は「戦」。大衆そば・立ち食いそばの世界では、そば粉・小麦粉・油などの食材代、電気・ガス代などが跳ね上がり、値上げラッシュが続いた1年だった。そんな2022年の大衆そば・立ち食いそばを振り返ってみようと思う。
長年営業してきた名店が閉店
コロナ禍での経営悪化・高齢化・立退きなどさまざまな要因が重なり、2021年は個人店を中心に閉店が続いていたが、2022年の閉店数は少なくなっている。それでも人気店がいくつか閉店した。
吉田屋そば店
高田馬場駅前にあった創業46年の「吉田屋そば店」が7月31日に閉店した。大きく食べ応えのある天ぷらが懐かしい。女将の吉田彩華さんは今も元気で別の仕事をしているという。
そば・うどん えびすや
神奈川県横須賀市若松町の「そば・うどん えびすや」は8月31日に閉店した。創業43年の古参店。女将の須藤玲子さんが作る平べったいかき揚げがのる「天ぷらそば」は絶品だった。
立喰そばうどん あかくら
水元公園や埼玉県みさと公園の近く埼玉県三郷市高州にある「立喰そばうどん あかくら」は12月30日をもって閉店するという。女将の大内博子さんも高齢でそろそろ引退されるということのようだ。年内に一度は訪問しておきたいところ。
こうしてみると、立ち食いそば屋は女性の店主や従業員が多いことに気が付く。いつも美味しいそばを提供していただきありがとうございました。
一時閉店していた店が再開
閉店のニュースばかりではない。今年は一時閉店していた店が再開したというニュースが多かった。
そばのスエヒロ八丁堀店
東京都中央区八丁堀にある「そばのスエヒロ八丁堀店」は1月28日に閉店したが、2月と8月の一時再開を経て12月12日に正式開業となった。こちらは日暮里にある「一由そば」の流れをくむ従業員が対応しているので、「ジャンボげそ天そば」などが人気である。
2023.01.01(日)
文=坂崎仁紀