茨城県石岡市に創業93年の人気老舗そば屋「そば処 丸三」がある。この店が今年11月1日から4種類の新メニューを発売したのだが、その中にポテトを使った「コロッケそば」が含まれていて俄然注目されたわけである。
![11月1日から新発売になった「コロッケそば」](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/e/1280wm/img_3eb0a98b099fa79e14f748fab447a1b21906795.jpg)
「コロッケそば」といえば、東日本の立ち食いそば屋ではよく見かける。もちろん、讃岐や大阪、九州のうどん店、また、日本全国の大衆食堂などにはトッピングとして「コロッケ」が置かれている。つまり「コロッケそばうどん」は容易に提供できる存在だ。しかし、老舗のそば屋で発売しているところは滅多にない。
銀座6丁目にある明治18年創業の「そば所よし田」は「コロッケそば」の元祖的存在だが、ポテトコロッケではなく鶏ミンチを揚げたコロッケを使う。東急東横線都立大学駅近くにある昭和20年創業の「そば処 大菊総本店」では余ったそばをつなぎにした「コロッケそば」を販売している。老舗で販売している店は他にもあるとは思うが、知る限りではこの2店である。
なぜ老舗店で「コロッケそば」を販売するのか
さて「そば処 丸三」に話を戻そう。こちらの老舗店でなぜ「コロッケそば」を発売することになったのか。訪問して聞いてみることにした。
JR常磐線石岡駅はJR東京駅から特急ときわで約1時間。柏駅を過ぎて利根川を渡ると急に田園風景が広がってくる。到着した石岡駅は比較的大きな橋上駅舎で東西口ともロータリーなど広いスペースが配置されている。石岡市は南に霞ヶ浦、西に筑波山を望む豊かな土地である。
![柏駅をすぎると田園風景が多くなる](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/5/1280wm/img_7596ffb08d926f8784e1ff6b1103c56f1909577.jpg)
![特急ときわでJR常磐線石岡駅に到着した](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/1280wm/img_87b1953ad66c738d920376c15c907a611841344.jpg)
![特急ときわと大きく明るい石岡駅](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/5/1280wm/img_e520651ebb676fb95e380bd05ab1370f1750384.jpg)
![石岡駅の西口ロータリー](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/3/1280wm/img_e3142f5a65a15ed58b0152b47d0240781385580.jpg)
西口側に出て、駅前すぐの路地を西の方へ歩いていく。人影は少なく古い家並みが続いている。ゲートボールの公園などを見ながら10分程歩くと、そばうどんの幟(のぼり)と洒落た格子状の外観に老舗らしい「そば処 丸三」と墨で書かれた木製看板がみえてきた。
![途中にあったゲートボールの公園](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/1280wm/img_299d53057f54a0b35e9f77142773e50b2592796.jpg)
![洒落た格子状の外観の「そば処 丸三」](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/1280wm/img_bfa240112685199ec63315389226391e2206586.jpg)
入店すると3代目店主の溝口光幸さん(68歳)と奥さん、出前から帰った直後の4代目の溝口俊介さん(40歳)が笑顔で迎えてくれた。
2022.12.03(土)
文=坂崎 仁紀