旧来型の「来店時にシャンプー」は、大衆に毎日シャンプーをする習慣が無かった時代の名残です。そのため、そもそも毎日シャンプーをしている方が多い現代では、その工程は見直されるようになりました。

 

美容師は「乾かす」時間を縮められない

 シャンプーは時間がかかる工程の一つです。美容師はお客様を待たせないために、常に時間配分を計算しながら施術しています。そのため美容室では「シャンプーをしない」「切って落ちた髪はすぐには掃かず、ドライヤーで飛ばすだけ」にするなど、効率よく運営するための簡略化をしているのです。

 また、シャンプーをする際には、ある工程が必ず追加されます。それは「ドライヤーで乾かす」工程です。

 業界では「ドライ」と呼びますが、濡れた髪が乾くまでは10~15分ほどかかります。ロングヘアであれば、その時間はさらに長くなります。

 美容室のドライヤーは風力も強く、美容師も速く乾かすテクニックを駆使しています。しかし、美容師にとってドライの時間を短縮するのには限界があるため、「ドライをする回数は、なるべく減らしたい」「カットやカラーの時間に配分を割きたい」という心理が働きます。

美容師がよく出会う「トラブル」

 美容室には様々なお客様がいらっしゃいます。そこで、美容師がときどき出会う、髪や頭皮のトラブルを紹介します。

▼頭皮が脂っぽく、酸化した油の臭いのする方

 食生活やタバコなど、不摂生が頭皮に出ている方は少なくありません。皮脂が過剰に分泌されている傾向があり、油ぎった臭いや、酸化した油の臭いがすることもままあります。

 脂汚れや臭いは、一回のシャンプーで洗うだけでは取りきれなくなっていることも多く、頭皮用のクレンジングなどを駆使しないと、中々改善されません。

▼フケ症の方、炎症を起こしている方

 頭が痒くて炎症を起こしている方や、頭皮からフケが出てしまう方はとても多いです。フケの原因は大きく2パターンあり、「乾燥肌であること」と「皮脂が多く出ていること」です。

2023.02.25(土)
文=操作イトウ