この他、露天風呂には炭酸泉の檜風呂、内風呂には酸素泉。サウナストーブにアロマオイルを含んだ水をかけて、香りと蒸気で血行を促進する、いま流行りのロウリュ。そしてスチームサウナと、楽しみは盛りだくさん。

 湯から上がり、5階のレストランカフェゾーンではベトナム料理の店に入り、海鮮のフォーを選ぶ。汗をかいた後だから、スープも飲み干した。おいしい。満腹になると、眠気に襲われリラックスラウンジへ。リクライニングチェアや横になれるソファーが並んでおり、雑誌や本、携帯を片手に、皆とろんと気持ち良さげ。ブランケットを持ち、ソファーに身をあずければ、瞬く間に夢の国へ。

低温サウナが多く、息苦しくない

 目を覚まし、続いて垢すりをすることに。思い返せば昭和50年代に全国で一大ブームとなった健康ランドでは垢すりが人気で、こうした都心スパの先駆者とも言える。

 30分4400円の垢すりを終え、すっきりとした心持ちで、サウナが充実のヒーリングバーデに向かう。東南アジアのリゾートを思わせる設えにオープンデッキもあり、5種類ものサウナスペースを楽しめた。サウナといっても低温サウナが多いため、息苦しくなく、サウナの中でも油断をすれば眠りに落ちてしまう。特に石が敷き詰められたスペースに横になると、硬い岩盤とは異なり、腰のカーブ部分も隙間なく温められて、心地よかった。

 

 サウナを満喫した後に、後楽園の遊園地を目の前にして休めるデッキチェアに数冊の本を持ち陣取った。16時頃からしばしの休息。この日は雲ひとつない青空から、茜色に染まる夕景、そして遊園地のアトラクションの華やかな照明がともる夜景まで、刻々と変化する景色に目を奪われた。うっとり。なかなかできない体験である。

 17時半頃、また空腹になり、5階へ戻ってヘルシーなデリを選べるカフェレストランで夕食をとる。4種のデリを選べて、五穀米と味噌汁が付いて1380円。

 夕食後、またリラックスラウンジで寛いだ後、もう一度ヒーリングバーデに行くと、落とされた照明の下で過ごすカップルたちの姿が目立った。20時以降は夜景デートを目的にしたカップルが多いのだろうか。日中は女性のひとり客と女性同士のお客さんが多く、男性のひとり客や男性2~3人のグループも見かけた。

2023.02.17(金)
文=山崎まゆみ