入館料3230円、休日割増料金660円と、充実したサウナが整うエリア「ヒーリングバーデ」使用料880円が加算されて、4770円。リストバンドを渡され、館内は全てキャッシュレス対応だった。後からの精算をついつい忘れて消費してしまいそうになる。温泉地の共同浴場の入場料は300円~500円ほどで、日帰り入浴施設は1000円~1500円が相場と考えると、当初はやはり高いなと感じた。

 入館ゲートを通って思い出したのは、ラクーアの開業当初からのターゲットは女性であること。現在もそこにはブレはなく、館内は白を基調とし、清潔感と上品さを兼ね備え、まるでエステルームにでも来たかのような、女性が居心地よいと感じるデザイン。さらに進化を遂げたと感じたのは、女性専用浴場への通路には11種類ものエステの写真と簡単な解説が示されていることだ。

 

 垢すりを受けられるアクアトリートメントをはじめ、タイ古式ヒーリング、ハワイアンロミロミ、骨盤調整、骨洗いリンパエステ、ヘッドスパ、ネイルサロンなど目移りがするほど多彩。20代くらいの若い女性2人が一覧を眺めながら、前回受けたエステとこれから受けたいエステについて話している。このようなリピーター客がきっと多いのだろう。

 リネンカウンターで館内着とバスタオルとフェイスタオルをもらい、ロッカーへ進むと、ドライヤーが備わった洗面台がずらりと並ぶ。空きを待つことはなさそうだ。

スパゾーンには“ずっしり重い湯”

 6階のスパゾーンに行くと、地下1700メートルまで掘削し湧出したナトリウム塩化物強塩温泉の琥珀色の湯が注がれていた。ぐ~んと熱が身体を押してくる感じ。両手ですくい上げるとずっしりと重い湯だ。しばしじっと目をつむり入浴すると、冷えていた足の爪先までぽかぽかになってくる。10分入っていたら額に汗がにじんだ。都心にこれだけの塩分濃度が高い温泉が湧くのは、地球が隆起した時に地中に閉じ込められた海水が温泉となったから。通称「化石海水」と呼ばれる。

2023.02.17(金)
文=山崎まゆみ