お茶を飲んだ時のような余韻が続く鉄観音茶味
◆茶韻 320元
台湾といえば烏龍茶が特産品に挙げられますが、ここでは台北郊外の木柵産の鉄観音茶を使用しています。なかでも、今では珍しくなっている鉄観音種の茶樹を用い、鉄観音製法で作った「正欉鉄観音」と呼ばれる品種のものを用いています。
発酵度や焙煎度が高く、重厚感のある味わいで、その風味はチョコレートでも再現されています。しばらく口に含んでからいただくと、鉄観音茶の程よいほろ苦さがじわじわと感じられるはずです。ぜひ試してみてください。
なお、今後は台湾紅茶や包種茶なども登場予定とのこと。お茶ものはシリーズ化していくとのことなので、今後に期待です。
台湾産カカオを用いたチョコレートはまろかやで濃厚な風味
◆台灣 340元
外国人観光客にとりわけ人気が高いのが、屏東県産カカオを用いたチョコレート。ダニーさんによれば、木やスパイスの香りがほのかに感じられるとのこと。味に厚みがあり、まろやかな口当たりが魅力です。
舌の上にしばらく置いておくと、最初はほんのりと酸味が感じられますが、徐々に甘さとほろ苦さが混じり合い、独特な風味を楽しめます。
台湾では日本統治時代にカカオ栽培が始まりましたが、一時期は衰退してしまっていました。それが十数年前から復活。「TERRA」では屏東県内埔の農園と契約しています。
ダニーさんによれば、台湾は中南米やアフリカの他の産地に比べると、生産量が少なく、四季がはっきりした気候なので、収穫ごとに発酵条件が異なり、風味が違ってくるそうです。これを上手にコントロールし、風味豊かなチョコレートを作り上げていきます。
「TERRA」では農園と協力しながら栽培方法やカカオ豆の処理方法などを調整し、品質を安定させる努力を重ねています。将来的には日本のチョコレート業者にもカカオ豆を提供したいとのこと。この計画が実現するのも楽しみですね。
2023.02.03(金)
文・撮影=片倉真理