リーズナブルで実用的! センスあふれる日用品の数々

 MRT東門駅から南へ少し進むと、静かで落ち着いた雰囲気の住宅街に出ます。ここ潮州街には、洒落たビストロや中華菓子の老舗、フランスの絵本を扱った書店など、個性的なショップが点在し、散策が楽しいエリアです。

 日用雑貨ブランド「厝内」が経営するカフェ兼ショップ「厝内與咖啡與綠」がオープンしたのは2020年末。「厝内」とは台湾語で「家の中」を意味し、2013年の創業です。以前はオフィス内で展示販売していましたが、のちにこちらへ移転。現在は広々とした空間で商品が選べるようになっています。

 オーナーである許文鴻さんの父親は長年、欧州の日用品ブランドの委託製造メーカーを経営していました。2代目の許さんは「洗練された日用品を手ごろな価格で提供したい」という思いから、自社ブランドを立ち上げました。

 ここでは古い家屋のタイルやレンガ、面格子の模様など、「暮らしの中にあった台湾文化」というべきものを切り取ってデザインしています。たとえば、宴会料理に登場するお皿をモチーフに、蝦やフルーツなどの盛り付けを描いたものもあります。これはレトロな雰囲気が好評で、人気商品となっているそうです。

 こうした昔ながらのモノをさりげなく取り入れることで、台湾の文化を人々の記憶に残したいという願いもあるそうです。

 最近はSDGsの活動にも取り組み、当連載でも紹介したコーヒー滓や茶葉、もみ殻などの素材を用いたお弁当箱やタンブラーなどを製造しています。

 さらに、店の奥には生花販売のコーナーもあります。ここでは毎週火、木、土曜の午後にフラワーアレンジメントのレッスンを実施。自分の好きな時間に体験でき、1回40分~60分で予約は不要。1人でも気軽に参加できます。

 店内のカフェではコーヒーや台湾茶のほか、前回の記事でも紹介した「三玉號 野草茶」が提供する特製ハーブティーも楽しめます。ここでは「厝内」の自社製のコップや皿などを使用しているので、実際の使い心地を体験できるのもうれしいところです。

 日用雑貨と花とカフェ。これらを通して台湾らしい心地よいライフスタイルを体験してみましょう。

 なお、商品はオフィシャルサイトで日本からも購入できます。台湾への自由な渡航まではあと少し時間がかかりそうですが、暮らしの中に台湾アイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。

2022.08.09(火)
文・撮影=片倉真理