――上京して大学に入学したあとは、キラキラした大学生活を送っていたのですか?

 

パーク いや、大学1年生の10月くらいまでは何もしていなかったんです。本当はキムタクを目指して日本で一番イケてる男になるはずだったのに、気付いたらアットホームなサークルに入って、のんびりしたどうしようもない大学生活を送っていて。せっかく富山から出てきたのに、“東京に負けている自分”がいたんです。

 でもある日、「オイラの東京ライフはこんなはずじゃない! とにかく何か行動を起こさなければ」と思い立って、ダンススクールに飛び込みました。

自分もキラキラしていると勘違いするようになっていった

――もともとダンスをやっていたのですか。

パーク 小学6年生からダンスをやっていました。子どもの頃は『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」をずっと観ていて、それに影響されたんです。

 大学1年でダンススクールに入ったあとは、ひたすら“ダンスのみ”の生活を送るようになりました。そのスクールで出会ったダンスの師匠が、のちに今のLDH(EXILEなどが所属している芸能事務所)を立ち上げたメンバーの1人なんですよね。

――大学を卒業してからもダンスを続けたのですか?

パーク そもそも、就活を全くしなかったんですよ。「就活って何をすればいいの!?」みたいな感じで何もせず……。

 ちょうどその時期に、師匠の仕事のアシスタントで、アーティストのミュージックビデオの振り付けやダンスレッスンに携わるようになって。少しずつ芸能界に関わるようになっていきました。

 しかも師匠たちのもとには、毎晩のようにすごい芸能人が集まっていて。キラキラした人たちを近くで見ていたら、自分もキラキラしていると勘違いするようになっていったんです。だから師匠から離れたくなくて、とにかくダンスだけは続けました。

2023.01.15(日)
文=桃沢もちこ
撮影=末永裕樹/文藝春秋