【『鎌倉殿の13人』最終回】三谷幸喜が語るダークヒーローの“最期”「登場人物が死ぬ回は辛い。けれど悲劇を書く楽しさも感じた」 から続く

 小栗旬演じる主人公・北条義時が権力にとりつかれ、登場人物が次々に命を落とすなか、物語をなごませてくれたのが、頼朝の異母弟・阿野全成と、義時と政子の妹・実衣(阿波局)の夫婦。

 源義朝の嫡流である全成は、鎌倉殿になることは望まず実衣と穏やかに生きていたが、謀略に巻き込まれる。一方の実衣は、姉・政子が頼朝と結ばれ権力を持っていくにつれ、嫉妬をまじえた感情を持つように。

 11月末、すでに出番を終えた全成役の新納慎也さんと、終盤に大活躍する実衣役の宮澤エマさんがリモートで再会した「#ぜんみい」対談の一部を、『週刊文春WOMAN2023創刊4周年記念号』より、一部編集の上、お届けします。(全2回の2回目。前編・三谷幸喜さんと阿川さんの対談を読む)

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新納 あれ、エマさん外にいるの?

宮澤 Wi-Fiの調子がちょっと悪くて……電波の良い場所を求めて、路上をさまよっています。

三谷さんが「途中で方向転換しました。ごめんね」

新納 そうしたら寒くならないうちに始めましょうか。エマさんと話すのは僕のクランクアップ以来ですね。実は、撮影が始まった当初は、全成さんのキャラクターを摑むのが難しかったんです。

 三谷(幸喜)さんからは「怪しい人」「いろいろ裏があって、企んでる人だよ」と言われて、僕もポーカーフェイスや悪い顔をしていたのですが、台本はどんどんコメディになっていった……。後日談ですが、僕の撮影が終わる頃、三谷さんに「途中で方向転換しました。ごめんね」と言われました(笑)。

宮澤 実衣も全成も歴史上の人物なので、運命は決まっているし、物語の中での役割もある。でも全成と実衣がこんなに視聴者の皆さんの癒しポイントになるとは、三谷さんの想像を超えていたのかもしれませんね。ついには全成さん、紫式部の真似をコミカルにするような物真似キャラになって。三谷さんのいたずら心が出たのだと思います。

2022.12.29(木)
文=矢内裕子