吉川 そうですね。一番迷子だった時期はYouTubeのメイク動画をザッピング的に見てみたり、ランキングで1位のコスメを買い揃えてみたりしたんですけど、基礎がわかっていないので一部だけ変えたり直したりしても、結局全体的には変なままだったりして。

――ちなみに「なんとなく」ではなく明らかにメイクの失敗をしてしまったこともありますか。

吉川 コロナ禍になる直前、イベントに参加して楽しんだんです。すごく汗をかいた後にお手洗いに行ったら、ファンデーションが見たことないぐらい崩れてて、衝撃を受けました。

 

 その時は、ファンデをたくさん塗ることが「丁寧なメイク」だと思っていたんですね。だから失敗してしまったんですが、共著者であり美容部員のBAパンダさんにお話を聞いて、それが間違っていると知りました。

――たくさん塗るのは間違い?

吉川 私がフルメイクする時に必要だと思ってた量の半分以下でいいと教わりました。その通りにしたら格段に崩れにくくなりましたね。

「言われた通りに眉毛を描いたらびっくり…」

――BAパンダさんと一緒に今回の本を出された経緯を教えてください。

吉川 BAパンダさんは幼馴染で美容部員の仕事をしているのですが、これまで美容について聞いたことは一度もありませんでした。コロナ禍になってから、オンライン飲み会を初めて二人でやったときにポロっと「私って黙ってると怒ってるみたいに見えるんだよね」という話をしたら、BAパンダさんに「眉毛だよ」と言われて。

 その場でやり方を教えてくれたんですが、言われた通りに眉毛を描いたらびっくりするぐらい印象が変わったんです。嬉しくて「聞いて聞いて!」とシェアするつもりで漫画にしてTwitterに載せたら反響が大きくて、書籍化の話に繋がった、という流れですね。

――やっぱり吉川さんと同じ悩みを持っている人が多かったんですね。

吉川 そうですね。あと「そうそうこれなんだよ!」と言ってくれる人も多かったです。うまく説明できなかった技術が、BAパンダさんによって言語化されたのがよかったのかなって思います。

2022.12.09(金)
文=「文春オンライン」編集部