そんなときに今の事務所(アミューズ)からお誘いを受けて、夫も「仕事をしてもいいんじゃない?」と言ってくれたので、仕事を再開することに決めました。

――いつから仕事を再開したのでしょうか。

竹内 2020年の初頭くらいからですね。でも、すぐに仕事を増やしていったわけではありません。新型コロナが流行し始めたのと、妊娠のタイミングが重なったので、しばらくは少しずつ仕事をこなしていました。

――お子さんが生まれたのは2021年1月でしたよね。出産を機に生活は変わりましたか。

 

竹内 子どもができてからは、静岡の方々の優しさを実感する機会が増えましたね。子どもと一緒に出掛けていると、いろいろな人が声をかけてくれるんです。自然が多くて、ふかふかの芝生の上で子どもが走り回れるのも、子育てにはいい環境でした。

 少し話がズレますけど、静岡に来てから必要以上にお金を使わなくなったのも、変わったことのひとつかな。東京の刺激的な生活は魅力があるけど、物欲を掻き立てられてお金を使い過ぎてしまう。アナウンサー時代はあんなに頑張って働いていたのに、全然お金が貯まらなかったんです(笑)。

東京での仕事が「子育ての息抜きになっている」理由

――出産を経験すると、働き方も変わってくるのでは。

竹内 子どもができたことで、夫婦として仕事にどう向き合うのか、という考え方が変化しましたね。

 私は当初、仕事をたくさんやりたいと思っていたんですけど、夫は私が仕事にのめり込み過ぎてしまうんじゃないかと不安だったみたいです。まだ家族として新しくスタートしたばかりだったので、心配だったんでしょうね。

 だから夫とは話し合いを重ねながら、お互いの価値観をすり合わせていきました。

――仕事に対するパートナーの理解は大事ですよね。

竹内 夫の理解がなければ、子育てをしながら仕事をすることは難しいので。独身時代はひとりで突っ走っていましたけど、今は夫婦でバランスを保ちながら常に話し合って物事を決めています。

2022.10.03(月)
文=桃沢もちこ