由布院は、歩いて周れるコンパクトな街。拠点を決めてそぞろ歩きを。
歴史と利便性が交差するこの街で、プチ移住気分の夏。
まずは「湯倫舎」でたまったデジタル疲れをリリースしたあと「山荘わらび野」で少し贅沢な日常を過ごす、今年はそんな夏の旅を。
仕事しながら叶える「現代湯治」のすすめ
●ゆふいん束ノ間・現代湯治宿舎 湯倫舎
![由布岳を望む、ドリーミーな開放感が味わえる大露天風呂。地下500mから吹き上げる自墳泉で、濃度の高いものを自然のまま配湯した100%かけ流し。美肌効果が高いとろりと濃密な湯は無色透明だが、空気と光で白濁したブルーに変化。心の保養はミルキーブルーの温泉で。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/1280wm/img_2f01b6b5ad8acc4b116c858a28e13f22222281.jpg)
肌も免疫もととのう、とろとろの良質な温泉。しっかり作業モードに没入できる快適なデスクとワークチェア。
![二階建ての離れの棟をDIYで改装。友人の家に遊びに来たような、親しみのある空間。ひとり用が1部屋、ふたり用が2部屋あり。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/1280wm/img_f54d4cd24e8c920289cbdb11d2b6198295802.jpg)
“地獄蒸し窯”付きのシェアキッチン。清潔なベッド。「温泉のある暮らし」にこれ以上、何を求めようというのだろう。
![温泉から噴き出す約100℃の蒸気熱を利用した「地獄蒸し」の釜。ほんのり塩気を感じる味わいに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/1/1280wm/img_f1df7a737a8b64f5e1a42c2aed4846c4135961.jpg)
![蒸し温泉卵。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/9/1280wm/img_39f4b227bb1159346b9236927ea73cd055162.jpg)
新しい湯治文化を提案する宿として、古くからの集落を生かし作られた保養施設「束ノ間」。ここに1年前、新たに仲間入りした長期滞在向けの宿舎が「湯倫舎」だ。湯治と言えば、かつては「体の治療」を行うことだったが、今は「心の治療」も含まれる。
![建物の前には、素足や素手で直に大地に触れることで、体内へ蓄積される電磁波を放出するアーシングのスペースが。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/1280wm/img_bf4a9172e2a4378c28fa1b70be736c78406294.jpg)
先日、定期的な温泉分析を行ったところ効用に「自律神経や、うつなどストレスによる諸症状」が加わったのだ。湯守の堀江さん自身が、何よりそれを実感する。
「温泉があるかないかで、精神的に全く違います。体や心が疲れたとき、とりあえず入る。するとリセットできるんです」いわく、1日3回以上を3日間繰り返すと、効果が感じられるという。リモートの時代だからこそ「現代湯治」は夢じゃない。
![宿の魅力を端的に言い表す「上質な素朴」とプリントされたオリジナルマグカップ 1,200円。上質な素朴を味わう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/a/1280wm/img_8a44d64d33e48929afe297ce6b77ef7f39537.jpg)
●湯冷ましつぶやき
山の麓にあるので、天気予報があてにならないことも多い。折り畳みの傘を持っていくのが安心。
ゆふいん束ノ間・現代湯治宿舎 湯倫舎
所在地 大分県由布市湯布院町川上444-3
電話番号 0977-85-3105
宿泊料金
◆1室1名利用時の1名最低料金 (平日、休前日ともに)5,500円~
◆1室2名利用時の1名最低料金 (平日、休前日ともに)6,500円~(すべて素泊まり)
ひとり対応 通年
客室数 3室
食事 なし(自炊・持ち込み可)
チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00
アクセス JR由布院駅よりタクシーで約8分
https://tsukanoma.club/
●Wi-Fiあり
●推薦してくれたのは……
石井宏子さん[温泉ビューティ研究家]
山村光春さん[編集者・ライター]
2022.08.07(日)
Text=Mitsuharu Yamamura
Photographs=Tsugumi Meno
CREA 2022年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。